2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者介護施設におけるスピーチロック廃止に向けたチェックノートの開発
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19K14004
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 径子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90582461)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スピーチロック / 言葉による抑制 / 高齢者施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護保険関連施設等で介護職員が利用者へのスピーチロック(言葉による抑制)や不適切ケアをしていないか、自身で確認できるチェックノートを開発するものである。施設内でのスピーチロックの認識や教育体制などが施設によって異なり、職員はケアや業務に追われ、ケアへの適切な判断が困難な状況に陥っている現状がある。また、職員が起こす高齢者虐待の手前の行為がスピーチロックや不適切ケアであると考えている。職員がスピーチロックを理解し、より良いケアの実践を目指すために、スピーチロックに関する調査結果を基に施設での取り組み例やスピーチロックやケアに対する考え等を調査し、スピーチロック廃止のためのチェックノート(起こりやすい事例集及びチェックリスト)を作成する。職員が自身のケアを見直せるツールとして使用ができるチェックリストを作成することを目指し、研究を進めている。 2019年度は、チェックリスト作成のための情報収集を行うため、全国の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)、特定施設(介護付き有料老人ホーム等)の計4000施設を対象に、職員自身のスピーチロックやケアに対する考えや施設内での取り組みについて、自記式アンケートを用いた郵送調査を実施した。2020~2022年度は、そのアンケートのデータ入力及び集計、分析を行った。本調査で得られた結果を基に、施設種別での介護職員の課題を抽出し、チェックリスト作成のための資料を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学の業務の増加により、研究活動がほとんど進んでいない状況である。また、施設への訪問やインタビュー調査、研修なども予定していたが、昨年度までの新型コロナウイルスの影響により、困難な状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、チェックノートを作成する。2019~2022年度に行った調査結果及び分析を基に、スピーチロック廃止に必要と思われる介護についての考え方や介護の知識等の項目を入れたチェックノートにする予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度も研究が滞っており、調査ができずに費用の使用ができなかった。2023年度は、最終年度として、学会や雑誌等での発表、チェックノートの作成および郵送費などにあてる予定である。
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