Interaction mechanisms between dietary habit and sleep/wake patterns deciphering through gut microbiota

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K14023
• Research Institution: National Agriculture and Food Research Organization
• Principal Investigator: 小川 雪乃 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (10624405)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 睡眠 / 腸内細菌叢 / 抗生物質 / 睡眠不足 / 食習慣

Outline of Annual Research Achievements

食習慣の乱れは、睡眠の不調を招き、腸内環境を乱す。腸内環境の主要な構成要素である腸内細菌叢の組成は食習慣によって変化するが、腸内細菌叢の組成変化は脳機能に影響をもたらすことが明らかになっている。昨年度までの研究により、抗菌作用の異なる抗生物質４種（アンピシリン、バンコマイシン、ネオマイシン、メトロニダゾール）の混合慢性投与によって腸内細菌叢を除去したマウスにおいて、脳機能のひとつである睡眠のパターンおよび睡眠時脳波特性に顕著な影響が生じることが明らかになった。また、腸内細菌叢除去は、神経伝達物質を含む腸管内代謝プロファイル変化を通じて睡眠覚醒パターンに影響を及ぼしている可能性が示唆された。本年度は、具体的にどのような腸内細菌群が睡眠覚醒制御に影響を及ぼしているのか明らかにするための解析を進めた。グラム陽性菌に作用する抗生物質であるバンコマイシンを単体で4週間継続的に飲水投与することで腸内細菌叢を偏らせたモデルマウスを作製し、通常の水道水を与えたコントロールマウス群と比較解析を行った。その結果、バンコマイシン慢性投与群において、体重への顕著な影響は見られなかったが、糞便中生菌数の増加が確認された。また、脳波・筋電図計測による睡眠解析、および明期開始後6時間睡眠阻害後のリバウンド睡眠解析を行ったところ、バンコマイシン慢性投与による腸内細菌叢組成変化によって睡眠覚醒パターンに変化が生じることが示唆された。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

睡眠覚醒構造に影響を及ぼす腸内細菌群および腸管内代謝物質の同定を目指し、単一の抗生物質の慢性投与を行うことで腸内細菌叢を偏らせたモデルマウスの睡眠解析を実施している。年度途中からの研究中断のため、当初のスケジュールからは遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、腸内細菌群および腸管内代謝物質が睡眠に及ぼす影響について明らかにするための解析を進める。抗菌作用の異なる抗生物質を用いて腸内細菌叢操作マウスを作製し、睡眠覚醒パターンと睡眠脳波の解析および睡眠不足時のリバウンド睡眠解析を実施する。また、関与が示唆される腸管内代謝物質の解析を進める。

Causes of Carryover

研究中断のため、次年度使用額が生じた。当該助成金は、研究再開後の研究実施に用いる。