2019 Fiscal Year Research-status Report
バラ科果物アレルギーに対するシラカバ皮下免疫療法の検討-治癒を目指して-
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19K14026
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
津曲 俊太郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (90836545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特異的IgG4 / 皮下免疫療法 / シラカバ花粉 / 花粉-食物アレルギー症候群 / 口腔アレルギー症候群 / 果物アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
シラカバ花粉皮下免疫療法における適切なアレルゲン投与量について検討した。 治療開始2年経過した患者について、シラカバ花粉アレルゲン投与量の違いによる免疫学的変化の差について評価した。維持期のアレルゲン投与量によって高用量群(1:200 w/v 0.15ml以上)と低用量群(1:200 w/v 0.15ml未満)の2群に分け、治療前後での免疫学的パラメータの変化を比較検討した。 高用量群8名、低用量群12名の計20名で検討した。臨床症状は高用量群が77%、低用量群が63%で改善を認め、両群間で差は認めなかった。シラカバ特異的IgE値は高用量群で中央値88.0 UA/mLから46.2 UA/mLと低下傾向を示したが、低用量群では中央値67.1 UA/mLから63.7 UA/mLと大きな変化は認めなかった。リンゴ特異的IgE値は両群とも大きな変化は認めなかった。また、治療2年経過した時点でのシラカバ特異的IgG4値は高用量群で中央値6.09 mg/dL、低用量群で2.67 mg/dLと高用量群のほうが高値だった。Bet v1特異的IgG4値は高用量群で中央値5.36 mg/dL、低用量群で2.75 mg/dLとこちらも高用量群のほうが高値だった。リンゴ特異的IgG4値は高用量群で2.43 mg/dL、低用量群で0.502 mg/dLだった。Mal d1特異的IgG4値は高用量群で1.39 mg/dL、低用量群で0.759 mg/dLだった。 免疫学的パラメータに関しては統計学的には有意差は認めなかったものの、治療2年後のシラカバおよびリンゴの特異的IgG4値は高用量群のほうが高値だった。以上の結果からは、免疫学的には1:200 w/v 0.15ml以上が維持期のアレルゲン投与量として適切であることが示唆された。 今後はさらに症例を増やし、より長期の検討も行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規患者の登録が進んでいない。また、好塩基球活性化検査のデータ集積が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
治療継続中の患者に関して、随時好塩基球活性化試験を実施していく予定である。 また、新規患者を募集するため、ホームページや学会発表などによる本研究の周知をより積極的に行っていきたい。
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Causes of Carryover |
当該年度の検体検査数が予定より少なかったため。次年度に実施予定である。
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Research Products
(2 results)