2019 Fiscal Year Research-status Report
クッション性を持ちかつ衣類として着用可能なスペーサー織物の新規設計手法の確立
Project/Area Number |
19K14032
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
朱 春紅 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (80773100)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 三次元中空構造 / スペーサーファブリック / ハニカム構造 / 圧縮特性 / 成形方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究では三次元円形断面構造織物の設計方法を開発し、その複合材料の圧縮特性を検討したが、構造上において樹脂リッチが発生し、より優れた構造設計が必要だと考えられる。そのため、本研究は転倒時の衝撃を軽減するためのクッション性を持つ三次元スペーサーファブリックの開発方法を提案することを目的とする。 初年度は汎用のジャカード織機でも製織することの可能なハニカム断面構造三次元織物の設計方法を提案した。セル(ハニカム)のサイズや高さをパラメータとし、数種類のサンプルを製織した。その後、ポリウレタン樹脂と複合・成形し、さらに、成形した三次元織物複合材料の圧縮特性を評価し、セルのサイズの影響を検討している。また、三次元中空構造織物複合材料の成形方法は確立されていないため、本研究において自作した賦形機を用いて、成形方法を検討した。 本研究の研究成果について、令和1年11月9日―10日に開催された繊維学会秋季研究発表会において「ハニカム構造三次元織物複合材料の圧縮特性評価」と「三次元中空織物を用いた熱可塑性複合材料の成形方法の検討」と題する研究発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究実施計画に記載した研究内容の設計方法の提案、製織について、ほぼ予定通りに進捗しており、ハニカムスペーサーファブリックの設計方法を提案し、セルのサイズなどのパラメータを設定し、数種類を製織し、評価した。これらの成果は学会での研究発表2件を行った。 一方、パラメータ設定時、たて、よこ糸の選択が非常に重要で、その影響を考慮すべきだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は提案したハニカムスペーサーファブリック複合材料の力学特性をさらに検討して研究を進める。同時に三次元中空構造織物の複合材料化に関する成形方法を確立し、断面形状が波形構造を有する三次元複合材料の力学特性の検討を進める。
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Causes of Carryover |
【理由】 当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。 【使用計画】 令和2年度請求額と今年度未使用額をあわせて三次元スペーサーファブリック複合材料の作製と評価について必要な装置、材料、試薬などを購入する予定である。また、学会発表のための旅費、参加費などに使用する予定である。
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