2020 Fiscal Year Research-status Report
ハラル制度対応に向けた豚由来タンパク質に対する超高感度同時酵素免疫測定法の開発
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19K14034
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
沼田 聡 高知県立大学, 健康栄養学部, 助教 (10565857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酵素免疫測定法 / ハラル制度 / 豚肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハラル制度において、課題の1つとなっているのが、食品への豚由来成分の混入などによって、知らず知らずのうちに禁忌食材を摂取している可能性があるということである。 本研究の目的は、この課題を改善するため、豚肉の中に含まれている豚血清アルブミンおよび豚コラーゲン1型α2に対する抗体を作成し、これらの抗体を用いて2種類の超高感度酵素免疫測定法を開発する。そして、両測定系を合体させた超高感度同時酵素免疫測定法を開発することである。 初年度の計画では、1つ目の豚血清アルブミンに対する抗体を作成し、超高感度酵素免疫測定法を開発する予定であった。豚血清アルブミンのアミノ酸配列から2箇所のアミノ酸配列を検討した。2種類のペプチド合成を行い、ウサギに免疫を行った。2種類のペプチド抗原のうち、1種類のペプチド抗原では免疫に成功し、十分な抗体量を得られた。しかし、もう1種類のペプチド抗原では、免疫がうまくいかず、十分な抗体量が得られていない状態である。超高感度酵素免疫測定法は、抗原に対して抗体反応部位が異なる2種類の抗体が必要になるため、1種類の抗体だけでは、測定系を開発することができない。 現在のところ、免疫が上手くいかなったペプチド抗原に対して、アミノ酸配列の範囲を再検討し、再度免疫を行い、十分な抗体量が得られるか検討を行っている段階である。また、もう1つの測定系である豚コラーゲン1型α2に対する抗体作成も同時に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度に豚血清アルブミンに対する抗体を作成することができなかったため、再度豚血清アルブミンの抗体作成を進めつつ、新たな抗原として、豚肉内に存在するミオグロビンに対する抗体を作成するため、ペプチドを検討し、抗体作成を行ったが、1種類しか抗体を作成することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ペプチドから抗体を作成するだけではなく、抽出液(界面活性剤、還元剤を含む)で変性させた豚血清アルブミン及びミオグロビンに対する抗体を作成した後、豚血清アルブミン及びミオグロビンのペプチドを結合させた担体を用いて、アフィニティー精製を行い、抗体を精製する。
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Causes of Carryover |
初年度に続き、抗体を作成する予定で進めて来たが、上手く抗体を作成することができなかった。 抗体以外の測定系の開発に必要な試薬、器具等は準備できているため、残りの助成金は基本的に引き続き抗体作成を主に使用する予定である。
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