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2020 Fiscal Year Research-status Report

母マウスの食餌誘導性肥満が仔マウスの「免疫老化」に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 19K14036
Research InstitutionSagami Women's University

Principal Investigator

今井 敦子  相模女子大学, 栄養科学部, 講師 (00580086)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords母子 / 高脂肪食 / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、妊娠中の栄養環境による出生仔マウスへの影響について、特に高脂肪食の影響に着目して解析を行っている。2019年度までに、妊娠期から授乳期に高脂肪食を摂取した母マウスから出生した仔マウスの老年期の解析において、胸腺の組織重量の低下、さらに敗血症の実験モデルであるLPS投与によるエンドトキシンショック誘導に対する応答性を変化させる可能性を示した。本年度は、これらの変化をより詳細に検討することを目的に、ストレス時のたんぱく質保護や炎症性サイトカイン産生に影響する熱ショックたんぱく質(HSP)に着目して解析を行った。
HSPは熱などのストレス刺激により誘導されるたんぱく質で、HSP70はたんぱく質修復により細胞を保護する役割を担う。さらに、炎症性転写因子NF-κBを不活性化し、炎症性サイトカインの産生を抑制する。
本年度は、母マウス高脂肪食摂取の影響について以下の結果を得た。
①胸腺細胞のHSP発現が低下した。胸腺細胞のHSP発現と抗炎症性サイトカインIL-10産生に有意な正の相関を認めた。
②LPS投与時の脾臓細胞のHSP発現が有意に増加した。
以上のことから、母マウス高脂肪食摂取による老齢期仔マウスの胸腺重量の低下は、胸腺細胞のHSP発現低下による細胞保護能低下と関連している可能性が示唆された。さらに、エンドトキシンショック誘導時の炎症応答の変化に、脾臓細胞のHSP発現が関与することが示唆された。母マウスの高脂肪食摂取は、加齢やエンドトキシンショックに対する免疫細胞のHSP発現を変化させることで、出生仔マウスの老齢期の病態に影響を及ぼす可能性が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

これまでに老齢期の解析に着手することができたが、若齢期・中齢期・老齢期の比較のためのデータ採取のための動物実験が途中であること、組織学的解析が未着手であることから、遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

・母マウス高脂肪食摂取の影響について、老齢期仔マウスの解析をさらに進める計画である。免疫・炎症の指標に加えて、肝臓組織への影響について加齢およびエンドトキシンショックの影響の解析を行う。
・若齢期のデータ採取のため、再度、高脂肪食を摂取させた母マウスから仔マウスを得て、不足データ・サンプルを取得し、免疫・代謝指標、組織学的解析を進める。

Causes of Carryover

老齢期マウスのサンプル解析が実験人員の確保等が難しく遅れてしまったこと、そのため、若齢期解析のための再度の動物実験を行う見通しが立たず、マウス飼育関連や免疫解析試薬などの購入に至らなかったこと、組織解析のための病理組織標本作成の依頼が遅れていることが主たる要因である。遅れている若齢期解析のマウス飼育をスタートさせて免疫・代謝関連解析を行い、病理組織標本作成も順次進めていく計画である。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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