2022 Fiscal Year Research-status Report
母マウスの食餌誘導性肥満が仔マウスの「免疫老化」に及ぼす影響
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19K14036
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
今井 敦子 相模女子大学, 栄養科学部, 講師 (00580086)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DOHaD / 高脂肪食 / 炎症 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では胎生期から授乳期までの栄養環境が出生仔の将来の健康や疾病発症に及ぼす影響について、特に高脂肪食の影響が免疫・代謝機能に及ぼす影響に着目して検討を行っている。 これまでに、母マウスの高脂肪食摂取による栄養環境の変化により、仔マウス若齢期では表現型には変化が認められないものの(またはわずかな影響のみ)、老齢期では免疫老化が進行している可能性や加齢に伴う変化が大きく表れること、炎症素因の増大を起こす可能性を示した。DOHaD学説は、生後早期の栄養環境が子の将来の健康や疾病に影響を与えるとする学説であるが、その仕組みはいまだ明らかにされていない。 非感染性疾患の発症や病態の進行には慢性的な炎症性の変化が関与することが示されていおり、生後の長年に渡る生活習慣、とくに日々の食事による栄養素摂取や栄養状態がその発症・病態に影響する。本研究では幼少期の栄養環境による何らかの変化が、生後の栄養摂取や栄養状態と相互に影響しあい、非感染性疾患の発症に影響を及ぼすとの仮説のもとに研究を行う。本年度は、これまでに明らかにした影響がどのような機序によるものかを検討するための実験計画の立案を行った。次年度は、母マウス及び仔マウス双方での高脂肪食摂取が若齢期での炎症病態に及ぼす影響を検討する。 母マウスを普通食または高脂肪食摂取の2群とし、それぞれから生まれた仔マウスにも離乳後に普通食または高脂肪食を摂取させ、計4群で飼育する。その後、若齢期で炎症病態を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により2度目の延長申請をしている状況であり、若齢期での検討が進んでいないことから遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、母マウス及び仔マウス双方の高脂肪食負荷による若齢期での炎症病態への影響を検討する。日々の食事による栄養状態及び摂取栄養素(高脂肪食)への応答の変化が炎症誘導に対する反応性の変化をもたらすとの仮説のもとに実験を行う。
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Causes of Carryover |
実験が中断している状況でありマウス飼育関連や必要な免疫解析試薬の購入に至らなかったことが要因である。遅れている若齢期の検討のためにマウス飼育をスタートさせて免疫・代謝関連の解析を順次進めていく計画である。
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