2019 Fiscal Year Research-status Report
Visualization and quantification of taste deterioration of cooked rice during low temperature storage
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19K14038
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Research Institution | Tokyo Seiei College |
Principal Investigator |
大田原 美保 東京聖栄大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00824632)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 米飯 / 老化 / 品質評価 / 画像解析 / 明度 / 調味料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,厚さ0.1 mmに機器で圧縮した米飯粒(以下,圧縮米飯粒)の明度測定,および画像解析による粒内の輝度分布の変化から,米飯の食味低下を視覚的および定量的に捉える品質評価法の構築を目的としている。2019年度は調味料を添加して炊飯した米飯を試料として本方法の適用可能性を検討した。 調味料には上白糖(砂糖),食塩,穀物酢(食酢)および3つを混合した合わせ酢を用い,炊飯時に添加して調味米飯とした。基準試料は白飯(無添加飯)とし,これらを4℃で0時間,14時間および24時間冷蔵して米飯試料とした。米飯試料の官能評価,力学物性測定,および圧縮米飯粒の明度測定ならびに画像解析を行った。 官能評価による老化感の評点は,砂糖飯および食塩飯は無添加飯との有意差は示されず,食酢飯および合わせ酢飯は冷蔵14時間,24時間のいずれの試料でも無添加飯より有意に低かった。力学物性測定の結果,食塩飯は冷蔵14時間のみ表層粘りと全体硬さにおいて無添加飯より老化の進行傾向が示され,食酢および合わせ酢添加飯はいずれの時間でも老化の抑制が認められた。圧縮米飯粒の明度 (L*) および透過光画像の輝度値130以下の割合は,食酢飯および合わせ酢飯ではいずれの冷蔵時間でも無添加飯より有意に低く,食塩飯では冷蔵14時間で有意に高かった。すなわち,食酢飯および合わせ酢飯の老化抑制傾向と共に、食塩飯の老化進行傾向も明瞭に示された。これは透過光画像の輝度ヒストグラムや2値化画像の変化として視覚的にも示すことがきた。圧縮米飯粒を用いた測定は,各調味料米飯の食味変化の特徴を官能評価や力学物性測定よりも鋭敏に捉えられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は調味料米飯を試料として圧縮米飯粒を用いた評価法の検討を行う予定であり,必要な知見を得ることが出来ている。ただし,当初の計画よりも試料数を増やし,実験数が多くなったため,当初予定していた糊化状態の測定については,次年度に回すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は品種や加水比等の条件を変えて炊飯し,老化の程度の異なる米飯試料を調製する。これらの官能評価,力学物性測定および圧縮米飯粒を用いた測定を行い,データを蓄積する。さらに,米飯試料のデンプンの糊化状態を酵素法等により測定し、圧縮米飯粒の測定値とデンプンの糊化状態の関係について検討を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度は試薬の購入が必要ない官能評価,物性測定,圧縮米飯粒による実験を当初計画よりも多く実施した。そのため研究内容の年次計画を一部変更した。 2020年度は2019年度に当初予定していた測定のため,試薬,消耗品および機器の購入が必要であり,その支出に充当させる予定である。
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Research Products
(1 results)