2021 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization and quantification of taste deterioration of cooked rice during low temperature storage
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19K14038
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
大田原 美保 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00824632)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 米 / 米飯 / 品質評価 / 糊化度 / 熱分析 / 老化 / 画像解析 / 澱粉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,厚さ0.1 mmに機器で圧縮した米飯粒の明度測定および画像解析による粒内の輝度分布の変化から,米飯類の冷蔵による食味低下を視覚的かつ定量的に示す品質評価法(圧縮米飯粒法)の構築を目的としている。昨年度までに,本評価法は白飯に加えて,味付け飯ならびに玄米飯の評価にも適用可能であることが示された。今年度は,圧縮米飯粒法で捉えた米飯の冷蔵による変化と澱粉の老化の関係を検討するため,昨年度に引き続きβ-アミラーゼ・プルラナーゼ法による糊化度測定,ならびに示差走査熱量計(DSC)による熱分析を行った。 試料米は,巨大胚芽を有し吸水性が高く低アミロース米の金のいぶき,低アミロース米のたきたて,一般的なうるち米のひとめぼれの玄米とし,加水比1.5,浸漬1時間または24時間の条件で炊飯した玄米飯,これらを4℃で18時間冷蔵した飯を調製した。糊化度ならびにDSCによる測定には飯の脱水粉末試料を用いた。 糊化度について,1時間浸漬後に炊飯した玄米飯の炊飯直後の値は,金のいぶき>たきたて>ひとめぼれの傾向であり,冷蔵による変化は,金のいぶきが最も小さく,次いでたきたて,ひとめぼれの順であった。十分に吸水が行われた24時間浸漬後の炊飯では,冷蔵による変化は低アミロース米の金のいぶきとたきたては抑制された。圧縮米飯粒法によって得た指標値(白色面積率α130,L*値)と糊化度との相関係数は,絶対値が0.80以上と高かった。DSC測定において,1時間浸漬後に炊飯した玄米飯の炊飯直後試料には吸熱ピークは検出できなかったが,冷蔵後には微小なピークが認められ,老化の程度を示す吸熱量は金のいぶき<たきたて<ひとめぼれの順で,圧縮米飯粒法による傾向と一致した。 以上の結果より,圧縮米飯粒法の各指標の冷蔵による変化は,飯の澱粉の糊化の程度や老化による構造変化を間接的に捉えていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)