2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on comfort of cushion material and operability of wheelchairs
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19K14039
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
滝本 成人 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10350969)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 車椅子クッション / 体圧分布 / 静的評価 / 動的評価 / 重回帰分析 / 指標化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の目的:本研究は車椅子クッションの「材料の特性と厚みの違い」に着目し、クッション材の座り心地特性を定量的に評価する。次に材料特性と心理的反応との関係を体圧分布の分析から明らかにする。 2.実験の方法:2.1.試験体:静的評価実験用として、家具用シートクッションB~Cに加え、既に流通品である車椅子用クッションD~Kと、オリジナルクッションL~Oを試験体とした。次に動的評価実験用として、30~200㎜の7種類のクッションを準備した。2.2.静的評価実験:実験用車椅子として標準型車椅子を準備し15種類のクッション材を座面に設置し、置き型クッションの形式にした。被験者は18~63歳までの健康な男女計20名(男3名・女17名)とした。評価項目は、着座直後に①座り易さ②柔らかさ③安定④底づき感⑤座骨の圧迫⑥弾力性⑦座面の高さ、次に車椅子を前後に動かして、⑧安定性⑨心地良さ⑩今の柔らかさ、立ち上がり後に、⑪立ち易さ⑫総合的評価とした。2.3.体圧分布測定:実測機器としてForce Sensitive Application/VERG社製の体圧分布測定装置を使用した。被験者は男女の計6名(男3名・女3名)とした。体圧分布測定は測定域を20㎜Hg毎の帯域に設定し、それぞれのクッション材の全体面積・最大圧力・平均圧力および各帯域面積を測定した。2.4.動的評価実験:実験用車椅子として標準型車椅子を準備し7種類の厚みの違うクッションを座面に設置し、置き型クッションの形式にした。被験者は12名で自走式と介助式で、平地・上り・下り・段差・路面のきめ深さ・多目的トイレの操作性を評価した。 3.実験結果の分析:静的評価は、評価項目を目的変数、各帯域の接触面積を説明変数とした重回帰分析を行った。動的評価の詳細な分析は今年度行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.実験装置・試験体は概ね予定通りの準備ができた。実行予算の都合上未購入に物もあったがやり繰りを行った。 2.静的評価実験の心理評価実験(20名)と体圧分布測定(6名)は、概ね予定通りの実験者数を行うことができた。一部に当初予定していた、障がい者被験者の協力が得られなかったところもあった。 3.動的評価実験は現段階で12名の被験者を終えている。体位測定も進めている。今後は実験者数を増やす予定である。この項目が2020年度計画に一部がずれ込んでいる。 4.体圧分布の分析は、2020年度計画を前倒しに進めることができた。人間・生活環境系学会に論文投稿の準備に入る段階まで進めることができた。 5.学会発表は日本デザイン学会第3支部研究発表会(動的評価実験)と、日本デザイン学会第67回研究発表大会(静的実験)に演題登録を行った。しかし、いずれも新型コロナウィルスのため、研究発表会は中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.静的評価実験は、今年度中に論文投稿を行う予定である。 2.動的評価実験は、実験内容の精査と被験者数を増やし、今年度中に実験を終了する予定である。 3.今年度は実験結果のデータ解析に比重をおいた研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は計画通りの物品購入を行ったが、486円の端数の余りが生じたため、今年度予算と合算して使用したい。
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Research Products
(2 results)