2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a therapy-related psychological burden scale in oral immunotherapy for food allergy and relationship between stress and the outcome
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19K14042
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
前田 晃宏 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 助教 (30735014)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 経口免疫療法 / 負担感 |
Outline of Annual Research Achievements |
経口免疫療法は,食物アレルギー患者に対して原因食物を閾値以下で経口摂取させ,耐性獲得を目指す治療法である.治療効果に関する報告は多く存在するが,患者やその保護者への心理的な影響については明らかとなっていない.当該研究は,経口免疫療法を実施する患児とその保護者における治療による心理的負担感を測定するための尺度の開発(縦断研究)と新型コロナウイルス感染症拡大に食物アレルギー児を持つ患児並び保護者へのアンケート調査(横断研究)を行った。 横断研究 (コロナアンケート) の成果は学術雑誌に掲載された (Children 2021;8(10):919,Healthcare 2023;11(8):1080)。 縦断研究 (尺度開発)は,2022年4月には治療6か月後の調査票の回収も終了し,治療6か月後の調査票を回収できたのは86人であった。回収した調査票より,最終的な尺度は,16項目からなり,4つの下位尺度を含むものとなった。4つの下位尺度はそれぞれ「治療計画の遵守による負担感」,「症状誘発リスクへの不安感」,「患児の喫食態度による負担感」,「治療効果への不安感」と解釈された。複数の解析結果より,本研究で作成を試みた経口免疫療法が患児の保護者に与える負担感尺度は一定の信頼性と妥当性を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
横断研究 (コロナアンケート) では,多くの医療機関の協力が得られ,既に2500人に質問票を配布し,その回収率は90%を超えた。その結果の一部は,学術雑誌に掲載された。さらに,学会発表も行った。 縦断研究 (尺度開発) において,治療6か月後の調査票を回収できたのは86人であった。治療を中断する方や追跡困難になる方を見据えて,研究参加者のリクルートでは100人を目指した。そのため,最終的な治療6か月後の調査票の回収数は概ね予定通りであった。データを解析した結果,本研究で作成した尺度は一定の信頼性と妥当性を有した。
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Strategy for Future Research Activity |
横断研究 (コロナアンケート) では,更なる解析を進め,非常事態時におけるアレルギー治療のあり方を考える上での重要な基礎情報の提供を目指す。 縦断研究 (尺度開発) では,解析結果をブラッシュアップし,学術雑誌への掲載及び学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
当初は,2022年度中に学術雑誌への投稿する予定であった。しかし,新型コロナウイルス感染症拡大により,対象者のリクルート期間を延長した。そのため,データ収集期間が1年延期され,学術雑誌への投稿する予定も1年遅れてしまった。次年度繰り越す予算は,学術雑誌の投稿及び掲載にかかる費用である。
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