2021 Fiscal Year Research-status Report
住居近傍における「屋外居場所」の形成メカニズムおよび創出方法
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19K14043
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
陳 建中 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (40803424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 居場所 / 縁台 / 住環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では持続可能な住環境の知見を探求するうえで、住居近傍の門口や道路には、井戸端会議や縁台の夕涼み、子供の外遊び等の日常的な生活場面が行われる「屋外居場所 」に着目し、住民が自主的に設置した腰掛け等の空間装置の活用による「屋外居場所」の形成メカニズムを明らかにすることを目的とする。 温暖湿潤気候区における国内外の「屋外居場所」の事例研究を展開しており、奈良県内の現地調査を行って、現存している「屋外居場所」の空間構成を考察した。一方、遠隔調査の方法としてグーグルストリートビューを活用して、温暖湿潤気候区における国内外の「屋外居場所」の事例研究を展開しており、住宅の門周りの空間と腰掛けのある着座空間の関連性を探究している。 まちの共同空間としての「屋外居場所」の創出方法と地域社会での実証実験について、奈良県明日香村における古民家の軒下に縁台や行灯という「空間装置」を設置し、その利用状況を調査した。住民への聞き取り調査によると、住民の着座場面と伴い、タウンウォッチング、新聞を読む場面、近所の方との挨拶や会話などの行動場面が行われており、近所の住民や観光客も使われていることが確認できた。 今後、「屋外居場所」の存続意義を再評価しながら、まちにある「屋外居場所」の創出活動を続けて、実証実験によって、地域社会の「屋外居場所」における世代間交流を推進し、良好なコミュニティの形成に寄与する効果を検証して、研究成果をまとめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
奈良県内のまちにおいて、実際の「屋外居場所」が設置できて、実証実験を実行している。 新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、国内外の現地調査の遂行が難航しているが、現地調査の代わり、遠隔調査の方法を使って、まちの観察調査を行われており、調査データをまとめている。
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Strategy for Future Research Activity |
「屋外居場所」の実証実験について、地域の交流場所ができるように、縁台の設置場所を調整して、使用者の認知に関するインタビュー調査を行う予定である。今後、事例研究のデータを比較分析しながら、「屋外居場所」の実証実験を行い、調査結果をまとめて、「屋外居場所」の形成メカニズムを解明していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、国内外の現地調査が遂行できなかったため。 次年度に現地調査の旅費や研究調査用の設備の部品費として使用する予定である。
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