2021 Fiscal Year Annual Research Report
間欠絶食と脳機能 相乗効果を高める食事介入型トータルコーディネート法の確立
Project/Area Number |
19K14047
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Research Institution | Kanagawa Institute of Industrial Sclence and Technology |
Principal Investigator |
嶋田 耕育 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 食品機能性評価, 研究員(任期有) (50634185)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間欠絶食 / 脳機能 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度において間欠絶食による代謝機能への影響及び脳機能への影響を中心に解析を実施した。まずは代謝機能への影響については呼気ガス分析装置による解析を軸に進めた。C57BL/6雄性マウスを用いて間欠絶食群は2週間にわたって間欠絶食を4回実施し、対照群は通常飼育を実施した。試験期間を通して代謝機能への影響を確認する目的として呼気ガス分析を実施した。呼気ガス分析の結果、間欠絶食群での絶食期間の呼吸商は大きく低下した。このことから絶食によってエネルギー利用基質が脂質優位に変化したことを示唆した。また絶食後再給餌に戻した後も継続して呼吸商への影響を認めたことから単回の絶食によっても複数日に わたり代謝機能に影響することを確認した。次に脳機能への影響について検討を実施した。脳機能解析は行動試験解析を軸に評価を行なった。行動解析は2週間に及ぶ間欠絶食後通常飼育に戻した個体について検討した。しかし以下の理由のため行動解析試験を再検討した。再検討の理由として、脳機能解析の個体を間欠絶食の代謝機能解析を軸に呼気ガス分析による代謝機能解析を進めた個体で実施したが、呼気ガス測定時の特殊な飼育環境が行動試験における行動様式に大きく影響することを認めた。したがって再度、代謝測定実験を伴わない脳機能解析のみを軸とした実験を設定した。脳機能解析は通常飼育環境下において複数回の間欠絶食を実施した個体に対して以下の行動試験を順次実施した。広場テスト、Y路迷路試験、高架式十字迷路 試験、新規物体認識試験、社会性試験の5つの行動試験において間欠絶食による影響評価を実施した結果、いくつかの検討項目において間欠絶食と通常飼育群 (間欠絶食を実施しない群)間で有意に変動する行動様式があることを認めた。以上のことから複数回にわたる間欠絶食は代謝機能への影響のみではなくある種の脳機能行動にも影響を及ぼすことを見出した。
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