2020 Fiscal Year Research-status Report
中華圏における労働・福祉と教育に関する研究:地域を基盤とした教育活動の検討
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19K14050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
肖 蘭 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任講師 (50730793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 職業教育 / 新移民 / 多文化共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に政策文書、先行研究等の文献調査を中心に研究を進めた。主に台湾の新移民の就労と職業教育を中心に行った。 台湾では、90年代に展開された「南向政策」をきっかけに、東南アジア諸国からの結婚移民女性が急増し、近年に至っては、「新住民二代」と呼ばれる移民家庭の子どもたちの急激な増加が、学校教育体制にも大きな変革をもたらしている。 2016年に国家の新たな発展方針を示す「新南向政策」と相まって、教育部が「新南向人材培育推動計画」を公布し、東南アジアとの貿易拡大を前提にして人的資本を高めるために「新住民二代」の母国語と母国文化の教育に力を入れることとなった。その取り組みの一環として、新住民の母国語と母国文化の学校教育カリキュラムへの導入が進められている。その際、教師不足の課題を解決するために、新住民の女性の就労支援と組み合わせて、新住民が教員研修を受けて、学校の教師として登用される実践がを明らかになった。 今年度はこのような新住民の女性への職業教育・訓練の実践に着目して、その実態を明らかにした。こうした学校教育の改革と同時に進められる移民者の職業訓練は、移民の就労・自立を促すことだけでなく、従来の弱者への支援から人材育成への観点の移行は、多文化共生社会の形成にも役に立つことが明らかになった。これは従来の産業人材を育成するための職業教育・職業訓練より、新たな視点と可能性を加えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度香港・マカオ・台湾・中国大陸地区などに実施予定のフィールド調査はコロナ禍の世界中の蔓延により、出入国が厳しく制限されているため、すべて実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は引き続き文献調査を実施するとともに、今年度実施できなかったフィールド調査を計画的に・積極的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は出入国制限のため、フィールド調査に予定される旅費と調査協力者への謝金等が執行できなかった。 今年度に実施できなかった調査については、次年度に積極的に計画する予定である。
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Research Products
(1 results)