2021 Fiscal Year Research-status Report
イギリスにおける排除のリスクの高い生徒に対するキャリア教育・ガイダンス
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19K14052
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
白幡 真紀 仙台大学, 体育学部, 教授 (70746552)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キャリア教育 / キャリアガイダンス / オルタナティブ教育 / イギリス / 支援の必要な生徒 / 早期離脱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イギリス(イングランド)の中等学校段階における排除のリスクが高い生徒を対象に、職業・キャリア教育およびキャリア・ガイダンスを通じた学校内外の移行支援について、政策背景および制度的枠組みと課題を明らかにし、学校主導のキャリア教育・キャリア支援の専門性のあり方について検討することを目的としている。 前年度までの研究は、主に2012年カリキュラム改革の影響とその実効性についての検討、メインストリームの学校から早期離脱する子どもたちの受け皿となるオルタナティブ学習機関における学習と支援の現状とその枠組みについての検討を行ってきた。その結果、移行支援を最も必要とする子どもたちへの支援の課題が明らかとなった。2021年度は、どのような子どもが学校から弾かれているのか、イングランドの義務教育段階の停・退学の状況を分析し、特に停学率の高い社会的養護(LAC)の生徒の支援の様相を検討した。これらの知見については、査読付論文として2件、非審査論文2件、学会発表3件にて発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、新型コロナ感染拡大により2020年2月を最後にイギリスにおける現地調査は行えていない。そのため、研究期間を延長し、文献調査とオンラインインタビューによる調査・検討をメインに行うこととした。 これまで現地調査を行った部分については、第一に2012年カリキュラム改正がキャリア教育・ガイダンスにどのような影響を与えたのか、第二にオルタナティブ学習機関ではどのような学習支援を行っているのかについて主に検討を行った。 文献調査においては、イングランドにおける「排除のリスクの高い生徒」の内実と彼らへの対応を考察すべく、オルタナティブ学習機関のうち、最後の砦と言われるPupil Refferal Unit(PRU)について検討を行った。また、イングランドの義務教育段階の停学・退学の状況から学校から弾かれる子どもたちの様相について分析を行い、社会的養護(LAC)の生徒支援を事例に、学校における包摂と排除について考察を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
学校の早期離脱をめぐるこれまでの理論を概観し、アフターコロナを見据えた政策や学校側の対応についての考察を進める。特に理念としての「包摂」に関しては、オルタナティブな教育機会の提供と、インクルーシブな教育機会の提供をめぐるアポリアは依然として大きな課題である。本年は最終年度として、学校現場における排除をめぐるデータ整理を行いつつ、この問題に取り組む学校内外の実践について調査を行う。 新型コロナ感染拡大の状況によっては、現地調査を延期せざるを得ないが、様子を見ながら現地の情報を収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のために海外渡航が不可能となっため、海外調査を見送った。そのため、研究計画を延長し、当初の計画を遂行することとした。
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Research Products
(2 results)