2020 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative Analysis of Foreign Language Learning from Multilingual (Multilingual Speaker) Proficient Experience
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19K14053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尹 得霞 東北大学, 教育学研究科, 助教 (40756053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルチリンガル / 多言語話者 / 熟達体験 / 外国語の学び / 質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究での目的は、日本における英語教育を多言語話者(マルチリンガル)の視点から再考し、「外国語が使える日本人」の育成と日本の言語環境における有効な外国語教育の在り様について提言することにある。現在、日本人の英語力不足に関し様々な問題提起がなされている。例えば英語の活用機会が少ない環境の問題や英語教員の指導力の問題などしばしば挙げられる。また、2020年以降、小学校で展開されている早期英語教育においても、指導人材確保や英語に触れる環境等多くの課題が残されている。その一方で、マルチリンガルといった多言語を活用できる人物も存在する。そうした人々の外国語学習体験には、英語を含めた外国語の深い学びに関わる重要な手掛かりが多く存在している。そこで本研究では、英語・日本語を含めたマルチリンガル環境(多言語活用環境)にある児童生徒を対象とし、参与観察とインタビュー調査による4年間に渡る縦断的な調査を行うことで体験の詳細な分析を行い、単なる英語の日常会話の学びにとどまらず、多言語活用、異文化理解、及びグローバルな市民性の育成の在り方に関する外国語学習方略について提言する。 2020年度は、コロナ禍の影響で、研究調査はほぼ停止している状態である。実際の現地調査の代わり、オンライン調査の可能性や対象者を探った。下記の2点を重点に入れて予備調査を行った。 (1)コロナ禍でインターネットやマルチメディアを通して、言語習得がどのようにされているか (2)次年度の新型コロナウィルスの感染状況を考慮し、オンライン調査が可能であるか (3)2020年3月27日「第5回ふくしま子ども多文化フォーラム」に参加し、コロナ禍で福島県、宮城県、山形県にある韓国語や中国語教室における言語学習の実態や外国文化のルールの持つ家庭における継承語の学習事情を把握した。それを次年度調査計画に生かしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染問題や、インターネット設備の問題及び調査対象の家庭の事情により、訪問調査の予定が何回か延期となったため、当初の計画よりもデータ収集が若干遅れた。しかしながら、コロナ状況下で言語学習の調査対象を改めて定めたので、次年度オンラインインタビューでデータを収集し、分析を進める上で大きな問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実施したインタビュー調査の内容に基づき、他言語背景の持つ家庭の調査を実施する。 また、新型感コロナウィルス染の問題対策として、zoomやLINEを活用した遠隔調査の方法により調査を実施するが、感染状況により、一部の家庭訪問を可能であるか臨機応変に変更する。
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Causes of Carryover |
インターネット回線と通信設備の問題で、オンラインインタビュー調査で調査時間が確保できなかったため、対象者の通信設備の改善を含めて次年度使用が生じた。 今年度は、遠隔調査時間を多めに確保し、また調査対象者を増やし実施する。そのための機器やソフトウェアおよび調査対象者を増やすための謝礼として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)