2022 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative Analysis of Foreign Language Learning from Multilingual (Multilingual Speaker) Proficient Experience
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19K14053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尹 得霞 東北大学, 教育学研究科, 助教 (40756053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マルチリンガル / 多言語 / 言語習得 / ことばの学び体験 / 質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度なグローバル人材が求められる現代社会において,コミュニケーション・ツールとしての多言語を自在に使いこなし,深い相互理解と問題解決を可能とする人材育成としての多言語教育が注目されている。しかし、従来のマルチリンガルの複数言語学習の研究においては,学習方法や学習の動機づけといった学び方の側面が注目されることが多く、ことばの学び方の背後に潜む,複数言語を学ぶ意味や学習者にとっての意義といった,複数言語を学ぶ体験の意味および意義の考究を視野に入れた研究の蓄積は未だ不十分である。ことばの学びにおいて重要な点は,ことばを学ぶこと自体の意味を問うこと,すなわち,ことばの学びを通して子どもたちの中にどのような変化が生じるのか,またそうした子どもたちの変化を通して親たちがどう変わっていくのか,に着目した考究が重要である。そうした状況の中,外国にルーツを持ちながら多文化多言語の環境に育つ子どもが存在する。そこで本研究では,4名の在日中国人母親の子どもの複数言語教育経験を対象としている。母国ではない外国である日本に居住しながら,継承語の中国語と韓国語を含む複数言語の習得を望む母親の語りから,子どもの幼少期から現在に至る年月のなかで,どのようにことばの学びを促してきたのか,その過程で何が起こったか,といった言語教育体験に加えて,そうした体験が親にとってどのような経験であったのか,なぜ複数言語の学びを求めるのか,更に,そうしたことばの学びを子どもと親がどのようにとらえたのか,について詳細に記述することを目的とする。 2022年度は、調査対象者の家庭を訪問し、インタビュー調査を実施した。 分析の結果から、マルチリンガルのことばの学びは,こどもの将来とのつながり,職業とのつながり,人とのつながり,そして自分自身とのつながり,といった,学びの意味の多様性を持つ点が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による行動の制限により、当初予定していた対面によるインタビュー調査が十分に実施することができなかったため、研究の推敲に遅れが生じた。しかし、現在は新型コロナウィルス感染症による行動の制限が緩和されたため、対象者の家庭を訪問し調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、新型コロナウィルス感染による行動制限の解除に伴い、対象者の家庭訪問がより容易になるため、対象者の現地調査を行う予定である。また、前年度の調査の継続的なフォローアップ調査を実施し、多言語環境の家庭で育ち成人した子どもを対象とし、マルチリンガル当事者の視点から学びの体験を調査する。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウィルス感染による行動制限の解除に伴い、対象者の家庭訪問がより容易になるため、対象者の現地調査を行う予定である。また、前年度の調査の継続的なフォローアップ調査を実施し、多言語環境の家庭で育ち成人した子どもを対象とし、マルチリンガル当事者の視点から学びの体験を調査する。そのための旅費および謝礼(専門的な知識の提供)として使用する計画である。また、調査したデータの分析のために必要なパソコンおよび周辺機器、更にソフトウェアに使用する計画である。
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Research Products
(1 results)