2021 Fiscal Year Research-status Report
日清戦争後の中国における日本女子教育情報の経路に関する研究
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19K14065
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
董 秋艶 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50780087)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 清末中国の女子教育 / 下田歌子 / 新選家政学 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の課題関心は、日清戦争後の中国における日本女子教育情報の経路の研究である。本研究では、日清戦争後に、中国語に翻訳された『新選家政学』(原作下田歌子 1901年)に着目し、その女子教育情報がいかにして中国へもたらされ、中国はその情報をどのように受容したのか、すなわち、その経路に交わる「ヒト」「モノ」の動きを明らかにすることである。それらの作業を通して、日中の女子教育に対する相互認識を浮き彫りし、当時の日中関係史の更なる解明を目指している。 これまで、『新選家政学』が中国語に翻訳された経緯を分析し、その成果を学会発表や論文に仕上げた。今年度の計画としてその女子教育情報を中国国内でどのように受容したのかを分析する予定である。そのため、今年度中に中国現地での史・資料収集を予定していた。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延で、中国の出入国に関しては厳しい対策を取っているため、計画の修正を余儀なくされている。代わりにこれまで収集した史・資料 を読み直し、古書を含め新たな活字史・資料を可能な限り購入・収集した。 史・資料の読み直し作業を通して、下田の『新選家政学』は、当時の中国に4つの訳書があり、出版社もそれぞれであったが、その中の1冊が再版を重ねていたことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、日本は緊急事態宣言が相次いで発出・延長し、中国も出入国に関して厳しい対策を行っている。当初予定していた現地調査も断念せざるを得なくなった。これら特殊事情の影響から、研究計画は予定通りに進まず、修正を余儀なくされている。代わりにこれまで収集した史・資料を読み直したたり、インターネットを通して可能な限り資料の収集に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国での史・資料調査を行わなければならないものがあるため、今後のコロナ感染状況及び中国の対策緩和次第、当初計画した通りの出張による現地で史・資料収集を実行する予定である。収集した史・資料を元に分析も行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため予定していた中国現地への史・資料収集、2回以上を計上していた国内の出張が中止となり、国際便を活用しての中国からの史・資料購入も実現できなかった。次年度は、今年度に断念せざるを得なかった中国現地に赴いての史・資料収集を行う計画としている。中国国内でのコロナ対策の状況によっては中国国内にいる親戚や友人等に史・資料の購入を依頼することも計画として進める。
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