2021 Fiscal Year Research-status Report
デンマークにおける学力観と評価観―口頭試験に焦点をあてて
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19K14069
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
市川 桂 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (60754546)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デンマーク / 口頭試験 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
デンマークでは、9年生全員が義務教育修了試験を受ける。この試験において、数学についても抽出調査ながら口頭試験が行われている。口頭試験では学習者のどのような能力を、どのように評価しているのか。能力測定の尺度はどのようなものを用いているのか、評価対象が解答の正誤だけでない場合、客観性はどのように担保されるのか。これらを明らかにするために、令和3年度においては昨年度に引き続き、口頭試験の具体的な事例を取り上げて考察した。これに加えて、口頭試験を実施する理論的背景と考えられるグルントヴィおよびコルの思想について研究を進めるとともに、デンマーク教育省の教育・質保証委員会試験課(Ministry of Children and Education, Board of Education and Quality, Office for Examinations and Tests)の義務教育修了試験担当者にメールでインタビュー調査を行った。調査の結果は、積極的に国内外の学会大会において口頭発表を行い、新聞記事として掲載されることで広く世間に発信した。 新型コロナの感染拡大によって、実際に現地を訪問して調査することはかなわなかったが、インターネットを活用して研究を推進し、成果を発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続いて新型コロナの感染拡大によって、デンマーク側の学校や教員、大学教員と連絡を取ることが難しい一年であったが、これまでの反省をいかしてメールやWeb会議システムを通じてインタビュー調査を行い、必要な情報が収集できたため。現地に赴いて行う調査が難しい場合でも、研究成果をあげる見通しをつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやく所属大学においても、事前承認を得ることで海外渡航をすることが可能になった。そのため、今後の研究については、特に教員養成におけるディスカッションベースの学びの伝達に焦点をあてて、大学教員への聞き取り調査および教職課程の授業観察を実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
現地調査の実施および国際学会への参加と発表を予定していたが、新型コロナの感染拡大によって日本国外へと出ることが不可能になったため次年度使用額が生じた。使用計画としては、次年度に現地調査のための旅費および研究成果を発表するためのウェブサイト構築、出版などを予定している。
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Research Products
(2 results)