2019 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学級担任の省察に基づく専門性の解明に関する基礎的研究
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19K14082
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
平沼 源志 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研究企画部, 研究員 (10812513)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特別支援学級担任 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度(研究1年目)は、小中学校の特別支援学級担任に対する質問紙調査を実施した。調査対象は関東近郊の市区町村から特定の1地域を選定し、市内全小中学校(小学校約350校、中学校約150校)に対して行った。 調査内容は、主に特別支援学級の児童生徒数や学級数、教員経験等の基本情報に加え、特別支援学級担任の指導・支援に関する内容、特別支援学級担任の専門性に関する内容について質問した。 調査の結果、小中学校とも半数以上の学校から回答があった。分析の結果から、小中学校の特別支援学級担任が日々の指導・支援においてやりがいを感じる事柄として、子供の言葉や姿が影響していることがわかった。また、特別支援学級担任が日々の指導・支援において大切にしている事柄として、障害に関する知識や理解、一人一人に応じた指導・支援など、特別支援教育全般に関する内容が挙げられた。一方で、子供との関係づくりや教師としての人間性といった、特別支援学級担任としての自身の姿勢に関するものも挙げられた。 さらに、特別支援学級担任が専門性を高めるために行っている具体的な取組については、研修会や自主勉強会への参加、書籍や参考書から必要な知識を学ぶといった、情報収集に関する内容が挙げられた。また、自身の授業実践や子供との関わり方を振り返ったり、自身の授業について同じ立場の特別支援学級担任や校内の同僚からアドバイスをもらい、自身の再考したりするといった内容も挙げられており、本研究のテーマである教師の省察的な行為に関わる内容も挙げられていた。 今後は質問紙調査のさらなる分析と、特別支援学級担任の専門性に関するより詳細な分析のための聞き取り調査等を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度(研究1年目)に予定していた、①特別支援学級担任の専門性に関する質問紙調査の作成及び対象校の選定、②予備調査の実施、③本調査の実施ができた。しかし、年度当初予定していた聞き取り調査については、社会情勢を鑑み、実施を控え、調査対象者の選定のみに留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度(研究2年目)は、質問紙調査結果のさらなる分析を進めるとともに、聞き取り調査の実施に向けた質問項目の検討を行う。聞き取り調査については、社会情勢を鑑み、学校や調査対象者への負担を考慮した上で実施について検討する。 また、当初予定していた参与観察についても実施が可能か検討する。その間、特別支援学級担任の専門性に関わる文献調査、参与観察に関わる内容と方法に関する文献調査を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度(研究1年目)に予定していた、聞き取り調査実施校選定のための訪問旅費、聞き取り調査実施校への打合せ旅費、聞き取り調査訪問旅費について、聞き取り調査の実施を見合わせたことにより、旅費の多くを使用しなかった。 また質問調査の郵送等について、業者委託を行わなかったため、人件費等についても当初の予定より少ない額の使用となった。
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