2022 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の学習規律認識の特徴とその影響に関する調査研究
Project/Area Number |
19K14090
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
笹屋 孝允 香川大学, 教育学部, 准教授 (90781120)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中1ギャップ / 学習行動 / 学級適応感 / 学級雰囲気 / 動機づけ構造 / 小学生 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,児童生徒の授業中の学習行動に関する認識がどのようなものであるのか,児童生徒の授業中の学習行動認識が小中間の進学を経てどのように変化するのか,その学習行動認識が学校生活に関わる児童生徒の認識にどのような影響を与えるのか,それぞれ分析することである。そのために,小学6年学級と進学後の中学1年学級にて2年間の追跡調査を行った。調査回答者は小学校4校・中学校1校の児童生徒約230名である。また,同中学校の生徒約240名が予備調査に回答した。 予備調査を実施し,生徒が認識している授業中の学習行動について自由記述で回答を得た。その結果を内容で分類し,30項目に集約してそれぞれどの程度重要と認識しているか5段階で問う学習行動認識質問紙を作成した。この質問紙に加え,小学校用学級適応感尺度質問紙(江村・大久保,2012)と学級雰囲気質問紙(三島・宇野, 2004)を使用し,小学6年時に2回,中学1年時に2回,回答を得た。また,中学1年時は動機づけ構造質問紙(谷島・新井, 1995)も回答を得た。 学習行動認識質問紙の結果を主成分分析し,「グループ学習で積極的に意見を出し合う」,「友達の発言を自分の考えに取り入れる」などの項目で構成される「自他の主体的な学習行動」と,「グループ学習では一番速い人のペースに合わせる」「他活動より友達からの質問回答を優先する」などの項目で構成される「同調的な学習行動」2種類の成分が決定された。相関分析の結果,前者は学級適応感3尺度,学級雰囲気4尺度の全尺度と有意な相関が見られた一方,後者は有意な相関が見られなかった。2種類の行動認識と動機づけ構造質問紙の調査結果を重回帰分析したところ,前者は動機づけ構造の全4尺度へ,後者は「承認」と「協調」の2尺度へ,それぞれ影響関係が見られた。
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