2022 Fiscal Year Research-status Report
Inquiry on the roles of teacher educators in fostering rationality and tolerance as the foundation of deliberation
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19K14099
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山辺 恵理子 都留文科大学, 文学部, 准教授 (60612322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教師教育 / 批判的思考 / 道徳性 / 論争問題 / 対話 / 共生 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、①論理的整合性と倫理的寛容性の両方を備えた熟議のあり方を探究し、そのために必要な②合理的判断力と多様な他者と共生する能力の開発を促す教育方法を、教師教育の分野に当てはめて考察するものである。2022年度は、コロナ禍で参加を延期していたハワイ大学の哲学対話に関するSummer Symposiumに参加することで、対話や熟議に関する多くの教育実践および教員研修を見学することができたほか、これまでの研究をまとめる成果の一つとして関連書籍の邦訳出版を手掛けた。Nel Noddings and Laurie Brooks (2017). Teachig Controversial Issues: The Case for Critical Thinking and Moral Commitment in the Classroom. Teachers College Pressの日本語訳、『批判的思考と道徳性を育む教室:「論争問題」がひらく共生への対話』(学文社、2023年)を出版し、その内容を日本の学校教育の文脈に落とし込むための教材(論争問題対話カード)を開発したうえで、それを用いた中高生・教師・教師教育者向けの対面研修の準備を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響を受け、当初の計画にあった全てを実行するには至らなかったが、国内で実施できる別の研究活動を見出せたことで、結果的には国内の教師教育に寄与する研究成果が挙げられていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、『批判的思考と道徳性を育む教室:「論争問題」がひらく共生への対話』(学文社、2023年)の内容を日本の学校教育の文脈に落とし込むために開発した教材(論争問題対話カード)を用いた中高生・教師・教師教育者向けの対面研修を企画・実施し、これまでに開発してきた研修と合わせて、研修内容の整理とマニュアル化を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍と『批判的思考と道徳性を育む教室:「論争問題」がひらく共生への対話』(学文社、2023年)の出版の遅れの影響で、独自に開発した教材「論争問題対話カード」を用いた研修などを2022年度内に実施することができず、2023年度前半に開催することになった。同研修は2023年4月ならびに7月に開催予定。
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Research Products
(5 results)