2019 Fiscal Year Research-status Report
教員養成段階に特化したレジリエンス育成プログラムの開発
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19K14110
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Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
佐々木 恵理 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80714998)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教員養成 / レジリエンス / 大学生 / 学び続ける教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、教師が学び続けていく上で重要になる心理的特性の一つであるレジリエンスを教員養成段階に特化して育成するプログラムを開発し、効果検証を行うことを目的としている。そのために、次の5つの課題を設定している。 ①学生のレジリエンスが心理的・資質的成長に及ぼすプロセスの解明、②学生のレジリエンスに影響を与える心理・社会的要因の検討、③教員養成や教師を対象としたレジリエンス育成プログラムの系統的レビュー、④プログラムの開発、⑤プログラムの実践と効果検証 本年度の成果として、①の調査の一部として、内省傾向の特徴とレジリエンスの関連を明らかにするために、2019年7月に女子大学生(n=22)を対象に質問し調査を実施した。内省傾向の違いによりレジリエンス得点に違いがみられるかを対応のないt検定で検討した。その結果、自己関連づけ群(n=10)の学生のほうが、一般記述群(n=12)に比べて、レジリエンス得点が有意に高かった。特に、自己関連づけが高い群のほうが、自己効力感が有意に高かった。このことから、学生が自分自身の姿として重ね合わせることができるような取り組みや、自分自身の特徴や性格と合わせてより具体的に自分の実践していくことを意識し内省できるような取り組みがレジリエンス向上のために有用である可能性が示唆された。 また、②のインタビュー調査では、「困難を乗り越えてきたことがある」教職経験者を対象としたインタビューを収録することができた。 現在は、2019年9月に産休休暇取得による研究中断届を提出し、研究を中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は初年度で、上記の①~③を中心に、進めてきた。産休取得により、研究期間が半年程度にとどまったものの、一部の質問紙調査とインタビュー調査を実施することができた。しかし、大規模な質問紙調査は未実施である。 令和元年度の成果は、保育学会第73回大会、日本心理学会第84回大会で発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後の年度には、質問紙調査、インタビュー調査を再開し、分析を行う。 また、プログラムについては、2020年4月時点において、新型コロナウイルス感染が拡大し、教育現場においても多方面に影響が出ている。当初、集団法でのプログラム開発を予定していたが、感染拡大の予防や社会状況を鑑み、遠隔で対応可能なプログラムや通信教育プログラム等により柔軟に対応できるような手法と実践を検討する。
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Causes of Carryover |
2019年9月から産休取得による研究中断をしており、大規模な質問紙調査やインタビュー調査などを十分に実施することができなかった。研究再開後、インタビュー調査や調査入力、文字起こしなどに使用する予定である。
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