2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K14112
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Research Institution | Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
濱口 輝士 名古屋文理大学, 情報メディア学部, 助教 (20802531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校改善 / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度においては、主として(1)校長への支援の基盤となっているカリフォルニア州の学校支援システムの分析、(2)ロサンゼルス統合学区における校長研修の取組についての調査を実施した。 (1)については、カリフォルニア州における「アカウンタビリティと継続的改善のシステム」を素材として、カリフォルニア州教育省及び州教育委員会の文書や州教育省の担当官への聞き取りをもとに、同州の学校支援システムの内容と、そこにおける教育アカウンタビリティの機能と特質を析出することした。分析の結果、連邦教育政策とは異なる路線を採用する中で、アカウンタビリティ制度による学校支援の重点が、「褒賞と制裁」による学校改善の誘発から、学区教育委員会や学校の自律的な改善機能を開発するための支援へが移っていったことが明らかになり、この点にカリフォルニア州の特質が認められることを提示した。これらの成果については、『名古屋文理大学紀要』第20号(2020年)に掲載した。 (2)については、ロサンゼルス統合学区の教職員や校長に対する職能開発を行う部局へ調査協力を依頼し、当該学区内における研修内容についての調査を行った。カリフォルニア州では、校長のリーダーシップが学校改善の第1の主要テーマとされ、①学校改善に資する校長の専門性やスタンダードの提示、②①に基づく教育行政の専門スタッフによる継続的な職能開発の実施、③改善が必要とされる学校と教育行政機関、他の学校との連携関係の構築等が位置付けられている。これらの点について、ロサンゼルス市における施策を整理することを目的として、学区教育委員会の担当者への聞き取り及び資料収集を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。第1に、カリフォルニア州の学校支援の基盤となっている学校支援システムの概要を把握することができ、研究成果の論文掲載ができたため。第2に、ロサンゼルス統合学区からの調査協力を得ることができ、今後も継続的に調査依頼や資料提供の依頼をできる関係を構築できたためである。コロナウイルス感染拡大により、次年度以降の訪問調査は困難になる可能性はあるが、eメールを通じた資料提供等について承諾を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、米国カリフォルニア州内の学校において実施される校長研修の内容を観察することを想定していたが、米国内のコロナウイルス感染拡大を受けて、学校への訪問は困難になることが予想される。それゆえ、校長への研修を行う教育行政スタッフに対してオンラインでの聞き取り調査や資料収集等に重点を置いて研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
2019年2月29日~3月4日にかけて、米国カリフォルニア州ロサンゼルスでの調査を行ったが、コロナウイルスの感染拡大を受けてロサンゼルス市内の調査を縮小せざるを得ず、当初予定していたよりも旅費への支出が少なくなったことが最大の理由である。コロナウイルス感染を巡る状況が落ちついた後、改めて現地での調査を実施することを予定している。
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Research Products
(1 results)