2020 Fiscal Year Research-status Report
「真正の評価」論にもとづく国語科のカリキュラム・デザイン
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19K14113
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
山本 はるか 大阪成蹊大学, 教育学部, 講師 (70760809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国語科 / 真正の評価 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「真正の評価」論にもとづき、子どもたちの本物の生活場面と結びついたり、専門家が知を探究する過程を子どもたちが追体験したりする国語科の評価課題と、子どもたちの思考過程を見取る評価規準を作成することで、長期的にしか育たない国語科における高次の学力を育てるとともに、子どもたちが学習の連続性を自覚できるカリキュラムをデザインすることである。この目的にもとづき研究を進めることで、①「真正の評価」論にもとづいてカリキュラムを具体化するための方法論を獲得すること、②長期的にしか育たない国語科の高次の学力を対象としたカリキュラム・デザインを提示することという2点の独自性と創造性が生み出されると考えている。 本年度は、昨年度行った国語科における「専門家として知を探究する」課題を、実際に授業で実践し、子どもたちの生み出す成果物に対する分析を行った。本実践はICTを活用しながら、子どもたち相互に互いの成果物を見せ合い、読み合う機会を設けて、個人の成果物の質の向上をねらった。成果物交流の際には、観点を設定することにより、的を絞った話し合いが実現でき、個性を生かした成果物の完成につながったと捉えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度設定した授業計画をもとに授業研究を行うことができた。子どもの成果物が大量に生産されたため、分析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度コロナの影響で実現できなかった、ニューヨーク・パフォーマンス・スタンダード・コンソーシアム(New York Performance Standards Consortium)で取り組まれたパフォーマンス課題の内実にできる限り迫りたい。ニューヨーク州では、高校の卒業条件に州の統一試験が求められているが、このコンソーシアムでは客観テストに代わる評価を実施し、独自のパフォーマンス課題で高校卒業認定を行う。これに注目し、中等教育段階におけるパフォーマンス課題の事例と、課題実施を受けた授業改善の様子を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において、海外における資料収集および現地調査ができなかったため。次年度渡航が可能になれば、予算を使用し、現地調査を予定している。
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