2019 Fiscal Year Research-status Report
the Situation and Issues of Cooperation between Schools' Policy to Solve Educational Inequality in China's metropolitan areas
Project/Area Number |
19K14117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
張 揚 北海道大学, 教育学研究院, 助教 (60767193)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育集団の分類 / 施策背景 / 教育格差是正 / 組織関係 / 連携型教育集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に主に「教育集団化」施策の背景と「教育集団」の実態に関する資料を収集、分析し、「教育集団化」の全体的な実施状況を明らかにした。 まず、「教育集団化」施策の背景についてである。第一に、中国における急速な都市化によって大量な出稼ぎ労働者が都市へ進出している一方、彼らの子供たちは都市での就学が困難である。第二に、市民が質の高い教育に対するニーズと教育資源の不足との矛盾が深刻になっている。第三に、市民は教育格差是正を重要視している。第四に、教育資源は全体的に足りない中で、質の高い教育資源の利用率を最大化する必要性が強くなっている。第五に、教育資源が豊かな学校と乏しい学校のそれぞれのニーズである。第六に、地方教育行政が教育機会均等を積極的に推進する。 次に、中国における「教育集団化」の全体的な実施状況についてである。「教育集団」は創り方によって次のような6種類に分けられる。①企業支援型教育集団、②公設民営型教育集団、③株式会社型教育集団、④積立型教育集団、⑤企業附属学校が独立して教育集団になる、⑥公立名門校主導の連携型教育集団。また、「教育集団」内部の組織関係を①強力な結合型関係、②ゆるい連携型関係と③上記2つの関係が混在する混合型関係に分類できる。強力な結合型関係を有する教育集団は一つの法人によっていくつの学校が管理され、教育理念、学校づくりと学校経営の仕方も統一される。一方で、ゆるい連携型関係を有する教育集団は通学区を超えるいくつの学校法人が連携することによって作られ、理事会を設けて所属する学校の教育活動を運営する。地方教育行政の支援を受け、教育格差是正を目指す教育集団は主に公立名門校主導の連携型教育集団である。 上記のような研究の実施によって本研究の基礎が高められ、「教育集団化」施策の実態解明に繋がる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前産後の休暇と育児休業の取得に伴い本研究課題が中断になり、予定した海外調査を実施できなくなった。それによって、現地の関係機関でしか入手できない資料も手に入れなかった。 また、北京市と上海市にある教育行政機関と学校についての予備調査を実施できなくて、研究対象の絞り込みとインタビューガイドの作成が大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の研究期間を1年間延長し、育児休暇を終えた後、2019年度に完成しなかった研究を推進する。2020年度の後半では、中国教育部教育発展評価センター(北京市)と上海市教育科学研究院などからの研究協力をもらい、北京市と上海市にある教育行政機関と学校を予備調査し、研究対象を絞り込み、インタビューガイドを作成する。予定した海外調査を実施し、2019年度に完成しなかった研究を推進します。 令和3年度、「教育集団化」施策の具体的な実施過程及び実施効果を調査する。1現地での資料収集、2学校現場観察、半構造化インタビュー調査の実施、3調査結果を整理し、学会における研究発表を行う。 令和4年度、「教育集団化」施策の効果と課題の質的分析を行う。1インタビュー調査内容の質的分析、2学会における研究発表、3論文の執筆を行い、同時に、インタビュー調査内容を再確認し、事実に沿って分析枠組みを修正する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:今年度産前産後の休暇と育児休暇を取得し、研究を一時中断したために、予定した海外調査を実施できなくて、当該経費を翌年度分として利用する。 使用計画:令和2年10月~12月、中国教育部教育発展評価センター(北京市)と上海市教育科学研究院から研究協力をもらい、北京市、上海市、杭州市の「教育集団化」の現状を把握し、典型事例に関する資料を収集する。令和3年1月~2月、テ レビ会議や国際電話で北京市と上海市の研究協力者と打ち合わせを行い、同年3月における予備調査について協議する。令和3 年3月、令和元年度に残された予算を使い、北京市と上海市の研究協力者をそれぞれ訪問し、両市にある教育行政機関と学校を予備調査し、研究対象となる「教育集団」を絞り込み、インタビューガイドを作成する。
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