2020 Fiscal Year Research-status Report
the Situation and Issues of Cooperation between Schools' Policy to Solve Educational Inequality in China's metropolitan areas
Project/Area Number |
19K14117
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
張 揚 北海道大学, 教育学研究院, 講師 (60767193)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 杭州市の主な政策の実施過程 / 教育集団づくりの仕方 / 教育集団づくりの特徴 / 「名門校+X」型教育集団 / 強力な結合型関係の教育集団 / ゆるい連携関係を持つ教育集団 / 学校づくりコミュニティー教育集団 / 地域の枠を超える多様化の新型教育集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では中国においてはボトムアップ型ともいえる施策がどのような背景で展開され、どのような実態を示しているかを明らかにした。これまでさまざまな都市で実施されてきた「教育集団化」施策の内容に関する資料を収集、分析することによって、学校間連携が実施された社会・政策背景を把握した。当該年度では、杭州市を中心とし、当市の「教育集団」の属性を調べ、施策の全体的な実施状況を明らかにした。 杭州市の「教育集団化」は、浙江大学の付属小学校である「求是小学校」が郊外の新設校である「競舟小学校」の学校運営を行うことをきっかけに、2002年に浙江省初の公立義務教育機関にかかる教育集団である「求是教育集団」が誕生した。2004年、市政府は教育集団化方式による教育格差の解消などを目的とした名門校教育集団化戦略を正式的に打ち出した。それ以降、同市は3つの政策を相次いで打ち出し、教育集団の多様化、創造性・特色ある模索及び新モデルの開発、教育集団の地域連携、国際交流を支援した。 杭州市の政策文献を分析し、杭州市の「教育集団化」政策の実施過程を3つの段階に分けられることを明らかにした。第1段階は「名門校+X」型教育集団づくり(2004~2010年)であり、通学区を超える名門校と新設校、名門校と弱い学校、名門校と民弁学校、名門校と企業付属学校、名門校と農村学校などの連携によって名門校教育集団が作られ、名門校の豊かな教育資源を他の学校に輸出する。第2段階は「地域特色ある教育集団づくり」(2011~2014年)であり、主に、3つの特色ある教育集団の作り方がある。第3段階は「多様化の新型教育集団づくり」(2015~現在)であり、3つの区において実施された教育集団づくりの仕方をさらに市全体に広げ、「地域の枠を超え、教員の質を高め、教育の質を保障し、教育ガバナンスの実現による多様化の新型教育集団づくり」を促す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前産後の休暇と育児休業の取得に伴い本研究課題が中断になり、予定した海外調査を実施できなくなった。それによって、現地の関係機関でしか入手できない資料も手に入れなかった。また、新型コロナのまん延によって、当初予定した中国教育部教育発展評価センター(北京市)と上海市教育科学研究院などからの研究協力をもらい、北京市と上海市にある教育行政機関と学校を予備調査することもできなかった。 育児休業後、現地調査を実施できない現状を踏まえて、研究の推進方策を変え、杭州市をめぐる資料収集を行い、それを中心とする事例研究をある程度進めた。政策文献の分析を行い、杭州市における「教育集団化」施策の全体的な実施状況、概ねの実施過程を明らかにし、「教育集団づくりの仕方と特徴」も解明できた。 しかし、現地調査を行わなかったので、「教育集団化」施策の実施過程の詳細とそれの実施による学校現場の変化が解明できない。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究現状を踏まえ、研究対象を杭州市に限定し、可能な限り、令和3年度、「教育集団化」施策の具体的な実施過程及び実施効果を調査する。1現地での資料収集、2学校現場観察、半構造化インタビュー調査の実施、3調査結果を整理し、学会における研究発表を行う。 現地調査の実施が不可能である場合では、教育集団に勤務する校長と教員を対象として質問紙調査を実施し、「教育集団化」施策の実施による学校現場の変化を解明する。また、教育集団に参加される学校の校長と連絡を取り、電話インタビューを通じて、「教育集団化」の実施過程の詳細について確認する。 令和4年度、「教育集団化」施策の効果と課題の質的分析を行う。1質問紙とインタビュー調査内容の質的分析、2学会における研究発表、3論文の執筆を行い、同時に、アンケート調査とインタビュー調査の内容を再確認し、事実に沿って分析枠組みを修正する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:R2年度育児休暇を取得し、研究を一時中断したために、予定した海外調査を実施できなくて、当該経費を翌年度分として利用する。 使用計画:令和3年6月、中国教育部教育発展評価センター(北京市)と上海市教育科学研究院から研究協力をもらい、北京市、上海市、杭州市の「教育集団化」の現状を把握し、典型事例に関する資料を収集し、どの都市に対して現地調査を実施できるかを確認する。令和3年9月、令和2年度に残された予算を使い、北京市、上海市と杭州市のいずれの都市の教育行政機関と学校を調査し、校長と教員をインタビューする。 新型コロナの関係で、現地調査の実施が不可能な場合では、予算を次のように使う予定である。アンケート調査を実施する際の質問紙の作成費・郵送料・協力金及び電話インタビュー調査への協力費である。
|
Research Products
(1 results)