2021 Fiscal Year Research-status Report
the Situation and Issues of Cooperation between Schools' Policy to Solve Educational Inequality in China's metropolitan areas
Project/Area Number |
19K14117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
張 揚 北海道大学, 教育学研究院, 講師 (60767193)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 実践に基づく政策制定 / 政策内容の細分化 / 政策内容の共通特徴 / 施策目標の2分類 / 学校間が連携しやすい外部環境 / 政策実施の保障システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では「教育集団化」政策の制定過程と内容の特徴を明らかにした。これまで「教育集団化」施策の実施背景・原因を把握し、杭州市を中心とし、当市の「教育集団」の属性および政策の全体的な実施状況を明らかにした。当該年度では、中国全土12の大都市における14本の「教育集団化」政策文書を収集し、コンテンツ分析ソフトウィアを使い、文書内容を分析した。 まず、「教育集団化」施策の制定過程における特徴は2つがある。一つ目は、実践に基づいて政策が制定されることである。「教育集団化」に関して、省レベルの政策は北京市と上海市のみ、他には何れも都市レベルの政策である。各都市においては政策が公布される前に既に教育集団に関する実践が行われたことが分かる。二つ目は、「教育集団化」政策が徐々に改善され、政策項目が具体化することである。例えば、上海市では各区が2015~2017年にかけて制定された「教育集団化」政策より市政府が2019年に制定した「教育集団に関する実施意見」は教育集団の実施方法に関す規定がより具体化している。また、北京市においては市政府が制定した「集団化づくりの推進に関する指導意見」に基づき、各区は相次いでより詳細的な実施政策を公布したことが分かる。 次に、政策内容の共通特徴は4つである。第一に、「教育集団化」施策の実施目標は2種類に分けられるが、①はっきりとした数字目標を立つタイプと②概ね目指すべき方向性を示すタイプである。第二に、「教育集団化」施策における基本的な運営理念は学校間が連携しやすい外部環境を作る。第三に、各都市の「教育集団化」施策においては集団づくりの仕組み、集団の運営システム、政策実施の保障システム、施策の原則が共通の項目として定まれている。第四に、「教育集団化」施策は主に教員人事制度、学校と教員に対する評価、学校集団への賞罰制度を持て当該政策の実施を保障する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度では中国への渡航制限の関係で、当初予定した杭州市における「教育集団化」施策の具体的な実施過程と実施効果に関する現地調査を行えなかったため、替わりに北京市と上海市をはじめに、杭州市、済南市などの中国全土12の大都市における14本の「教育集団化」政策文書を収集し、コンテンツ分析ソフトウィアを使い、文書内容を分析し、内容分析を通して政策の特徴を明らかにした。 研究方法の変更によって、「教育集団化」施策の詳細な実施過程とその実施効果の把握ができなかったために、研究課題の解明が遅れている。一方で、新たな研究方法への変更により、中国全土における「教育集団化」政策の全体図が見えてきた。 総じて、研究課題の進捗状況がやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画については、2つの案を講じている。一つは、中国への渡航可能状況を踏まえ、渡航可能であれば、2022年度の9~10月に杭州市への現地調査を行い、調査結果を整理・分析する。 もう一つは、現地調査を中止し、政策のコンテンツの分析に重点を移し、政策内容に対する質的分析を通して、政策上の課題を明らかにする。但し、既述のような政策課題に関する理論分析を確かめるために、教育集団の関係者に対するインタビュー調査によって理論分析の妥当性を明らかにする必要がある。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:R3年度新型コロナのまん延によって、当初予定した海外調査(中国・杭州市への現地調査)を実施できなく、当該経費を翌年分として利用する。 使用計画:中国への渡航可能状況を踏まえ、渡航可能であれば、2022年度の9~10月に杭州市への現地調査を行い、令和3年度に残された予算を使う。渡航不可能であれば、引き続き政策内容の分析を行い、政策上の課題を解明するうえで、教育集団の関係者に対する電話インタビュー調査を行い、その際に、令和3年度に残された予算を調査協力費およびインタビュー内容のテープ起こしの費用などとして使う。
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Research Products
(1 results)