2021 Fiscal Year Research-status Report
A New Educational Support From The Situation Of The Acculturation of the Non-Japanese Children in Japan
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19K14121
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
MATSUDA DEREK お茶の水女子大学, 国際教育センター, 講師 (90817272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ルーツからルートへ / トランスナショナリズム / 文化的アイデンティティ / 在米日系ペルー |
Outline of Annual Research Achievements |
【2021年度の計画】 2021年度には、ブラジルに移動した者5名に聞き取り調査を行い、ペルーでは確認のための聞き取り調査および、研究者との意見交換を行い、現場レベルの職員との遠隔教育共同プロジェクトを立ち上げる。南米における帰国した子どもの教育の現状を論文にまとめ投稿する。 【実施状況】 2021年度は2020年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で海外渡航ができず、オンラインによる半構造化面接を3名にZoomで行った。ブラジル在住の対象者ではなく、米国に住む日系ペルーにルーツを持つ人々の調査をさらに深めた。2021年度に行った調査について英語で学会発表(LASA/Asia 2022:People who move among cultures and languages: Japanese descendants in the U.S. from Peru)し、日本語の論文(学苑:「移動する子ども」と文化的アイデンティティ ―ペルーにルーツを持つ日系米国人の記憶より―)を査読付で投稿した。また、国内対象者へのインタビューについては新型コロナウイルスの影響で対面でのインタビューが叶わず、オンラインによるインタビューは2022年度に持ち越すこととした。本研究に関する理論的枠組みとしてトランスナショナリズムとしての日系人、そして世代ごとに変わる文化的アイデンティティについて文献調査を進め、その成果を投稿論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により海外調査が実現不可能となり、2020年度に本研究の計画を練り直し、その結果オンラインによる半構造化面接を追加で3名にすることができた。在米日系ペルー人で第二次世界大戦時に移動した人々を対象としているため、対象者を見つけることが困難であり、インタビューの数は少ないが、貴重な証言を入手することができた。また、理論枠組みとしてのトランスナショナリズムと文化的アイデンティティの変容に関する文献調査も進み、これらの研究枠組みの中で在米日系ペルー人の経験を当てはめ、その結果を学会発表し、その内容を投稿論文にまとめた。そのため、当初の計画とはずれているものの、コロナ禍においてできる限りの本研究の目的に合うように軌道修正をおこなっている。よって、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、2022年度にペルーでの3回目の聞き取り調査を実施し、またシンポジウムを開催するとした。また、アメリカで開催される国際比較教育学会で発表し、最終的には、日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語で本研究の報告書を作成し、幅広く公表するとしていた。しかし、コロナ禍において当初の目的を達成するには時間が足りないということもあり、本研究の実施期間を1年間延長することを検討している。2022年度にはオンラインによるペルーの日系人子弟と日本の日系人子弟からなるコミュニティを形成し、両者の交流を深め、かつて第二次世界大戦中にペルーから移動した日系人のようにコミュニティにエンパワーされ、夢の実現のために勉学に励むことにつながる活動を実施していく予定である。また、最終年度に向けてのオンラインシンポジウムの実施のための準備を進めていく。各国の研究者や当事者にも話していただく機会を創出していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初は海外渡航を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で海外渡航ができなくなり、オンラインによる活動が続き使用予定だった予算を渡航が可能となる時期まで持ち越すこととした。
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Research Products
(2 results)