2024 Fiscal Year Annual Research Report
教員の異文化感受性を高める適応力の要素とは : 持続可能な日米教員養成グローバル改革
Project/Area Number |
19K14128
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
BURKART K.I. 大分大学, 教育マネジメント機構, 准教授
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Keywords | Intercultural Sensitivity / Global Competence |
Outline of Annual Research Achievements |
日米の教育学部に所属する教員志望の大学生を対象として彼らのIntercultural SensitivityとGlobal Competenceにっいて質的・量的比較研究を行うことを目的とし、本研究を実施した。初年度には事前に作成した日本語版のGCISI(質問紙)を用いて、金沢大学と大分大学にて質的データを採取した。ところが、後期が終わるタイミングでコロナウイルス感染症が爆発的に広がり、国外はおろか県外にも行けない状況が続いたため、研究計画を練り直さなければならなくなった。 日本で収集した質的データの結果からは興味深い考察が得られた。日本人の教員志望者のIntercultural Sensitivity及びGlobal Competenceの変域は非常に狭かった。二つの大学別に見ても著しい差異は見られなかった。これをアメリカの教員志望者と比較した場合、日本人教員志望者のIntercultural SensitivityとGlobal Competenceのレベルは低かった。つまり、アメリカの教員志望者より日本人の教員志望者はIntercultural Sensitivityにおいては文化間の差異に疎く、Global Competenceにおいては異文化の環境で理解を示すことになかなか自信を持てないことを示していた。当然のことながら、日米を比較したときに日本では人種、民族、宗教等の社会文化的項目でアメリカのようなDiversityは見受けられない。つまり、アメリカではDiversityは日常において顕著であるが日本ではそうではないため、日本人だけを対象とした量的研究では顕著な違いが現れなかったのも理解できるという結論に至った。 コロナウイルス感染症がある程度落ち着いて、ようやく海外渡航が許されるようになってからアイオワ大学の研究協力者を頼って質的データの採取に赴き、9件のデータを収集した。その分析においても教員志望者のIntercultural Sensitivity及びGlobal Competenceは個人が異文化にふれて、自分自身を振り返る経験が豊冨であればあるほど、文化間の差異に敏感であり、文化的多様性に富んだ環境においても、比較的高いレベルの適応力があることがわかった。
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