2020 Fiscal Year Research-status Report
学校運営への父母参加制度の3か国比較研究:イギリス、ドイツ、日本
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19K14129
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
葛西 耕介 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (00769010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 親の教育権 / イギリス / ドイツ / コミュニティスクール / 学校運営への父母参加 / 学説史 / 多様性 / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国外および国内のフィールドワークをその重要な要素としているところ、新型コロナウィルス感染症の蔓延から、2020年度は1年間を通じて、国外への渡航はもちろん国内の学校現場への訪問も制限され、フィールドワークの実施は、国内のごく少数の学校にとどまった。そのため、2020年度は、当初予定していた国外・国内におけるフィールドワークによる実証研究というよりも、文献研究・理論研究に資源を割き研究を遂行してきた。 文献の蒐集を通じて、大きく分けて次の3点の分析を行ってきた。すなわち、第1に、イギリスの父母参加制度(主として学校理事会)とドイツの父母参加制度(主として学校会議)の歴史的・経年的変化とその背景の分析を進めた。そして、そうした変化を規定するものとして、その国固有の国内政治・国民統合の枠組み、政治思想の展開、学校論と子どもの権利論の発展があることを分析・検討した。第2に、日本の教育法制と対照してドイツ国内の教育法制について分析し、学校教育における親の教育権の位置づけ、とりわけ「集団的な親の教育権」という概念枠組みに着目して、その特長を検討した。第3に、日本における学校経営への父母参加制度の相対的不在という事実に関係して、日本における親の教育権論の弱さの基礎には、両国と異なる日本の明治以来の政治思想(史)や国民統合枠組みの独特の展開があることを分析した。 研究成果の一部は論文集や雑誌で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、国外および国内のフィールドワークがその重要な要素となっているところ、新型コロナウィルス感染症の蔓延から、2020年度は1年間を通じて、国外への渡航はもちろん、国内の学校現場への訪問も困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は4年間の計画で成り立っており、2020年度で2年目を終え半分を折り返した。当初の計画では研究前半に集中的なフィールドワークを計画していたが、そうしたフィールドワークがこれまで実施できていない。そのため、こうした国外および国内の集中的なフィールドワークの実施は、2021年度および2022年度に実施すべく準備を進めている。
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Causes of Carryover |
本研究の多くを国内外のフィールドワークが占め、「旅費」の費目が大きな割合を占めるところ、2020年度は新型コロナ感染症の蔓延によって予定していたフィールドワークを行えなかったことから、2021年度以降にその実施を予定しているため。
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Research Products
(2 results)