2020 Fiscal Year Research-status Report
An empirical study on determinants of educational aspiration among women in the Gulf countries
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19K14134
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
沈 雨香 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (80822197)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 女性の高学歴化 / 中東湾岸諸国 / 女性の学歴とキャリア / 進路選択 / 高等教育 / 進学動機 / 中東アラブ地域の女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性の高学歴化が急速に進んでいる中東湾岸諸国を対象に、なぜ女性を中心に高学歴化が進むのか、彼女らを高等教育へと突き動かす中東ならではの別な要因が存在するのではないか、これら2つの問いに答えることを目的としている。研究2年目となる2020年度は、当初の計画通り、アラブ首長国連邦とクウェートでのフィールドワークを予定していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴う海外渡航規制により延期となった。本年度の主な研究実績は以下の3点である。
1.本年度は、アラブ首長国連邦の高等教育に関する文献調査と手元にあるデータの分析を進め、2本の論文を執筆した。一つは、アラブ首長国連邦における女性の教育成果と労働市場への参加との間の断絶の現状とその背景の説明試みたもので、彼女たちの教育とキャリアに対する意識とこれら2つの相関関係を分析したものである。もう一つは、同じくアラブ首長国連邦の高等教育、STEM分野における女性の活躍に着目したものである。2本のとも採択、掲載されている。 2.昨年度のサウジアラビアでのフィールドワーク調査結果より、サウジアラビア女性の進学意識や行動における日常の生活世界の影響について分析した論文執筆を進めている。また、現時点までの研究成果をまとめた原稿を執筆、現在出版社と出版に向けた交渉を進めている。 3.アラブ首長国連邦とクウェート現地の研究協力者と、オンラインツールを用いて、ヒアリングを行った。サウジアラビアでのフィールドワークの成果を話し合い、各国との共通点、相違点に関する意見交換や来年度の現地調査の時期を調整、もし現地調査がかなわなかった場合の代替案などについて話し合った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前掲の通り、当初の予定では、昨年度のサウジアラビアで行ったフィールド調査結果と対照させるために、クウェートとアラブ首長国連邦での調査を計画していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大によって中止を余儀なくされた。代わりに、2020年度は今までの調査結果を分析し、二つの論文を執筆・投稿し掲載されている。その他、研究協力者へのヒアリングや研究成果をまとめた書籍の出版準備を進めるなど、ある程度の研究の進捗を図ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は引き続き、調査結果の分析・文章化を進め、国内・国際学会にて調査結果を報告するとともに所属学会の紀要等に研究論文を投稿する。また、2020年度に予定しつつも訪問がかなわなかった、クウェート、アラブ首長国連邦の調査を調整している。ただし、新型コロナウィルス感染症の影響から海外渡航調査については、情勢を見極めながら、必要に応じて予定の再調整を行うこととする。2021年に現地訪問がかなわない場合を想定し、両国の大学の教員および大学生との個別のコンタクトを取り、オンラインなどで意見交換をすることを計画している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額がないため、記入しない。
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Research Products
(4 results)