2023 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical study on determinants of educational aspiration among women in the Gulf countries
Project/Area Number |
19K14134
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
沈 雨香 早稲田大学, 国際学術院, 助教 (80822197)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中東湾岸諸国 / 女性の高学歴化 / 高等教育 / 中東湾岸諸国 / 進学規定要因 / 進学動機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェートの3か国でのフィールドワークを通じて、女性を中心とした高学歴化の現状とその要因を明らかにすることを目的としていた。1年目のサウジアラビアにおけるフィールドワークは当初の計画通り実施できたが、2年目以降続く新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う海外渡航および調査対象国の入国規制により、予定していた調査の中止を余儀なくされた。そこで、調査対象国をカタールに変更し、現地の大学と共同でカタール人を対象にしたアンケート調査とインタビュー調査を進めた。サウジアラビアとカタールは政治・経済・社会の構造が類似していることから、これまで両国の高等教育の現象は中東湾岸諸国全体として語られてきた。しかし、両国は人口構成とそれによる労働市場の内情が異なっており、本研究でその差が教育現象に及ぼす影響を明らかにできたことは、当該地域の高等教育現象の解釈を豊かにするものであったと考える。 研究最終年度であった本年度は、サウジアラビアのインタビュー調査データとカタールのアンケート調査、インタビュー調査データの分析を行った。詳しくは、両国の比較研究の枠組み深めるべく、韓国の教育学会と教育社会学会、日本の教育社会学会に参加し、情報収集と比較研究の専門家との意見交換を行った。また、カタール大学で行われた高等教育のワークショップにて研究成果の一部を発表し、現地の専門家との共同研究に関する話し合いや論文執筆のための研究資料を収集した。研究期間中、予期せぬ事態により計画通りの研究成果発表は遅れているものの、今後引き続き、本研究で収集したデータの分析と文章化を進めており、所属学会の紀要や当該テーマを扱う海外のエディテッドボリューム等に研究論文を投稿する予定である。
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