2021 Fiscal Year Research-status Report
在外教育施設から帰国した派遣教員の教職観に関する社会学的研究
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19K14138
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
芝野 淳一 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (10758577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 派遣教員 / 在外教育施設 / 越境性 / 教育実践 / 教育観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、在外教育施設から帰国した教員(以下、帰国教員)がどのような教育実践及び教育観を有しているのか、またそれらがどのように構築されたのかを解明するものである。3年目の2021年度は、アンケート調査及びインタビュー調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、いずれの調査も本格的に実行することができなかった。前年度に引き続き調査実施の基盤づくりを進めつつ、年度末にアンケート調査を開始した。主な実績は次の通りである。 第一に、前年度に理論枠組み及び研究方法論に基づき、具体的な調査の実施計画をデザインした。具体的には先行調査の枠組みを参照しつつ、現代的文脈の考慮、越境性の把握、調査法の多元化の3つの視点を加えた帰国教員調査をデザインした。また、先行調査の枠組みや調査デザインについてまとめた論文を作成した(2022年度に刊行予定)。 第二に、第一の作業を踏まえ、調査票及びインタビューリストを作成した。調査票における質問項目は、在外教育施設研究・海外子女教育研究・教師研究・移民研究の知見を参照するとともに、その妥当性について現職の帰国教員や専門家に意見を聞きながら設定した。 第三に、アンケート調査を開始した。アンケートの配布は、帰国教員のネットワークや組織に協力を要請した。新型コロナウイルス感染症の拡大状況を考慮し、アンケートはWeb形式(QRコード付きの依頼書を電子ファイルで送付し、アンケートフォームにアクセスしてもらう形)で実施している。調査は継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、調査開始の目処がたたず、実施が大幅に遅れてしまった。年度末にようやく開始することができたが、進捗状況は当初の予定よりも遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は大きく二つある。第一に、現在実施しているアンケート調査及びインタビュー調査を拡大し、広くデータを収集することである。第二に、収集したデータを混合研究法の知見を参照しながら分析することである。ただし、今年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響で調査計画の見直しが必要となる可能性がある。研究期間の延長を見据えつつ、柔軟に研究を遂行したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で調査を本格的に実行できず、調査実施にかかる経費(調査票配布代、謝金、出張費など)を使用することができなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度は本格的に調査を開始するため、その経費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)