2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Articulation and Quality Assurance System of Pupil from Diverse Educational Background between High School and University
Project/Area Number |
19K14144
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花井 渉 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60783107)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 高大接続 / 資格認証 / イギリス / 大学入学者選抜 / 国際バカロレア / アドミッションオフィサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(令和4年度)は、まず国内における多面的・総合的評価の実施状況について、先行研究の収集・分析を行ない、そこから得られた知見に基づき、以下の論文一篇を発表した。
花井渉・荒井清佳・桜井裕仁・椎名久美子・伊藤圭・大塚雄作(2023)「一般選抜における多面的・総合的評価等の実態と課題―令和3年度大学入学者選抜における選抜資料の利用状況に関する実態調査結果の分析―」、『大学入試研究ジャーナル』、No.33、pp.299-305、(査読付)
本研究はあくまで日本の大学入学者選抜における多面的・総合的評価の実態調査であった。 そこで、今年度はイギリスへの現地訪問調査を実施することができた。今年度の現地調査では、主にこうした多様な学習背景をもつ生徒の選抜を担う専門的なアドミッション・オフィサーの養成・研修について、イギリスの資格情報の収集・分析を行なっているECCTIS主催のカンファレンスに出席した。その結果、現在国際高大接続のトレンドとして、今後はアフリカ地域からの学生の獲得競争が激化していくことや大学入試における外国語試験については、民間試験だけではなく、各大学独自の外国語試験の開発が進んでいることが明らかになった。こうすることで、多様な学習背景をもつ生徒の選抜の際に、言語運用能力を適切に評価することができることが明らかになった。研究期間全体を通して、本研究では、近年イギリスでは大学入学者選抜の公平性を確保が強調され、専門的なアドミッションオフィサーの養成・配置、シュワルツ報告をはじめとする勧告を通じて、公平性の原則やガイドラインを策定し、各大学に公平な選抜を促していることが明らかになった。特に、文脈を考慮した選抜(contextual admission)が強調され、学力だけではなく、潜在能力の評価も強調され、このような選抜の導入が進められていることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)