2020 Fiscal Year Research-status Report
ASD児早期診断及び発症機序解明のための唾液中ホルモン分析と発達コホート研究
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19K14168
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Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
菊野 雄一郎 島根県立大学短期大学部, 保育学科, 講師 (10754723)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 発達 / ASD / 唾液中ホルモン / Biological Motion / 眼球運動測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ASDの疾病機序の解明及び客観的指標による早期診断は世界規模の喫緊課題である。国外で行われた研究では、ASD高リスク児と健常児で光点の運動情報のみでヒトの動作を表現したBiological motionに対する注視パターンが異なることが示されている。また、ホルモン分泌(特にオキシトシン)とASDの関連性も報告されている。以上より、Biological motionへの注視パターン及びオキシトシン等のホルモンにはASDとの関連性が推察される。加えて、本研究では前向きコホート研究(ASD発症前の調査)を行うことで、上述した2種の客観的指標の発達的変化像とASDの関連性を検証し、ASDの疾病機序を明らかにすることを目的とすると共に、客観的指標による画期的な早期診断方法の開発を目指す。 上記の目的を達成するため2020年度では、Biological Motionに対する眼球運動測定実験及び唾液中ホルモン計測を試みた。唾液中ホルモン計測については、COVID-19の影響で唾液データ収集環境構築が困難となっている状況であるが、既存のデータを用いて再分析等を行っているところである。一方、眼球運動測定実験については、Biological Motionに対する眼球運動パターンとAQをはじめとするASDの関連性を検討した。現時点では、正立と倒立のBiological Motionに対する注視時間、注視回数等の分析指標とASDスコアの間に弱い相関性はみられるものの、頑健性をもつには至っていない。今後、引き続き、眼球運動データの追加データ収集、解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
眼球運動測定実験、アンケートデータ収集及び分析を行うことはできたが、COVID-19に影響により唾液データ収集が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、既存のデータの再分析及び眼球運動データとASDスコアの相関性を中心に検討を行い、論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)学会発表のオンライン化等による影響で残金が発生した。 (使用計画)申請した使用計画に変更はない。
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