2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of health problem onset mechanism caused by poverty, and solution system construction through "Children's Cafeteria"
Project/Area Number |
19K14170
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
黒谷 佳代 昭和女子大学, 食健康科学部, 講師 (50610739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フードパントリー / 子ども食堂 / 食支援 / 孤独 / 社会的つながり / 新型コロナウイルス感染症 / 食育 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の流行より、社会経済的な影響を受けた者は多い。2022年度は新型コロナウイルス感染症が流行して3年目となり、新型コロナウイルス感染症の影響で生活の苦しくなった人を対象としたフードパントリーの多くが開催を中止している。しかしながら、依然として生活の苦しい大学生・大学院生・専門学校生がいると考えられる。そこで、学生を対象としたフードパントリー利用者の実態について調査をおこなった。 調査は、2022年6月、12月の学生応援フードパントリー調布を利用した大学生・大学院生(n=55、n=51)を対象に自記式WEB調査にて実施した。新型コロナウイルス感染症の流行の長期化により生活がより苦しくなった6月の利用者は27.3%、苦しい状況が継続している者は41.8%であった。12月の利用者では、それぞれ17.6%、39.2%で、暮らしぶりの改善が示唆された。孤独感については、孤独であると感じることが「しばしばある・常にある」者は0%(6月)、15.7%(12月)、「時々ある」者は16.4%(6月)、5.9%(12月)、「たまにある」者は32.7%(6月)、37.3%(12月)であり、孤独を感じる者の増加が示唆された。フードパントリーを利用した感想として、スタッフからの声掛けにより社会的つながりを感じられたという利用者が複数いた。 食生活の困りごととしては、「献立のレパートリーがない」者が52.7%(6月)、47.1%(12月)で最も多かった。学生応援フードパントリー調布では、食品だけでなく、配布食品を使ったレシピ及び食知識に関するリーフレットなどの食情報も提供しており、配布したレシピを使った調理を行ったことのある利用者が55.6%(6月)、25.0%(12月)であった。 食支援を必要とする学生の暮らしぶりは改善傾向にあるものの、孤独を感じる者は増加傾向が示唆され、食支援では食料、食情報の提供だけでなく、社会的つながりの提供も求められていることが示唆された。
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