2021 Fiscal Year Research-status Report
養育者の幸福感を高めるための支援とは:内的作業モデル、保育者との関係性に注目して
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19K14178
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
加藤 孝士 長野県立大学, 健康発達学部, 准教授 (10631723)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 養育者 / 幸福観 / 幸福感 / 内的作業モデル / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、保育者の幸福観や幸福感が変化している可能性が推測されたことで延期した本調査を行う予定であった。しかし、コロナ禍の影響で子育て意識やストレス、保育者との関係性に変化を生じている可能性が高く、それらについても検討を行う必要が生じた。 そこで、本年度は、社会変動を扱った他の研究課題で、コロナ禍で子育てを行っている保護者を対象とした調査を行い、それらの知見を本研究課題に生かすため、研究結果の集約と保護者を対象とした調査の文献研究へと切り替えた。それらをまとめた論文を1編掲載し、また、子育て支援に関する心理学の図書を編集し、自身も緊急時における子育て支援に関する執筆を行った。 それらの調査・文献研究の結果をまとめると、子育ての変化としては、コロナ禍により、家族で過ごす時間が増加していることや養育者間での意見交換の機会が増したことなど、家族での過ごし方の重要度が増していた。一方で、仕事等への不安や地域社会の希薄化への心配が多く挙げられるなど、不安定な社会へのストレスが増加していた。保育者との関係の変化としては、子どもの受け渡し方法で、園差が確認され、玄関での受け渡しや保育室前での受け渡しなど、対応が異なっていた。ただし、方法は違えど、ほとんどの園で、受け渡しの時間が減少しており、短時間で子どもの様子を伝えるために、ドキュメンテーションや連絡帳を利用した方法、SNSを用いた連携を行うなど、コロナ禍前の支援方法が変化させていた。 これらの支援方法を、調査項目に加えることが必要であり、これらを加えた項目を追加する必要がある。また、昨年度、現状調査のたために行う予定だった、保育者対象インタビュー調査を行い、質問紙調査への参考とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響による社会変動によって、価値観の変容が予測されたことから、調査を行うことが出来なかったため遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による社会変動により、価値観は大きく変容していることが予測されるため、申請時の視点だけでは対応できない。そのため、コロナ禍の影響や含め、調査を行う計画で調査を行う。具体的には、予定通りの調査に加え、コロナ禍によって生じた幸福観・感の変化に関する項目、短時間での子どもの様子を伝達することへの工夫等を追加し調査を行う。 ただし、2022年より広かったオミクロン株の影響もあり、対応も変化したことが考えられるため、5~6月にインタビュー調査を行い、具体的な取り組みについても再度調査を行う。 その後、9月、3月にweb調査による、本調査を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の子育ての現状を示すため、保護者を対象とした調査を実行し、調査項目の再検討を行った。よって、本調査を行うことが出来なかったため、次年度に使用することとした。
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[Book] 子ども家庭支援の心理学:保護者とともに子どもを支えるための心理学2022
Author(s)
中山智哉・加藤孝士(編) 村上涼, 横嶋敬行, 加藤孝士, 朴信永, 姫田知子, 金山美和子, 瀧日滋野, 小山顕, 中山智哉, 村上太郎, 姫島源太郎
Total Pages
200
Publisher
学文社