2022 Fiscal Year Research-status Report
ケニアにおける悪液質の実態調査と発症要因解明に関する新たな試み
Project/Area Number |
19K14188
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
凪 幸世 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90772971)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性栄養失調 / 悪液質 / マラリア / 住血吸虫症 / ケニア / 子ども / 握力 / 顧みられない熱帯病(NTDs) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は共同研究機関である長崎大学、熱帯医学研究所とケニア中央医学研究所の強力なサポートを得て、新型コロナウイルス蔓延下の渡航制限のなかリモートによる栄養疫学調査の実施が可能となった。栄養疫学調査は西ケニア・ホマベイ郡の学童332人を対象とし、調査地域で蔓延している主な寄生虫(マラリア、住血吸虫、土壌伝搬蠕虫:回虫、鉤虫、鞭虫)感染の検出、握力や筋肉量を含む各種身体測定と、対象学童の養育者を対象とした質問票調査により世帯者全員の年齢、性別、母親の学歴や社会経済状況などの基礎データ収集を実施した。
昨年度は、栄養不良の発症要因に関連する生体内生理活性物質の測定やマラリア、住血吸虫などの病原体を検出するために血液・便サンプルの輸送手続きを行った。また研究協力者らの手厚い支援により、サンプルをケニアから凍結状態の最適な条件下で日本まで輸送することが出来た。これらのサンプルのうち、現地調査で実施した簡易診断キットを用いたマラリア検査や顕微鏡下での寄生虫の検出に加えて、より精度が高い方法、かつ上記以外の病原体を検出するために遺伝子増幅法(PCR法)を実施するために、その準備として、検査容量を満たす全ての便サンプルからDNA抽出を行った。さらに、目的とするさまざまな生理活性物質の検査を実現するために別途、研究予算を獲得した。
なお、海外渡航が出来なかった際に共同で進めてきた「日本における顧みられない熱帯病(NTDs)の現状について」のスコーピングレビューを現在、論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究4年目において、ようやく本課題「ケニアにおける悪液質の実態調査と発症要因解明に関する新たな試み」の推進に欠かせない栄養不良の発症要因と病原体を検出するためのサンプル輸送が叶った。それまでの期間、同時進行してきた共同研究で取得したデータの統合を進めるなど、次の研究に向けた準備を行うことが出来た。しかし、栄養疫学調査ならびにサンプルの輸送の遅延から当初の予定よりも血液サンプルの解析等が追いついていないため、進捗としては、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続き、栄養不良の発症要因の解析と病原体の検出を進める。
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Causes of Carryover |
本研究は新型コロナウイルス感染拡大に伴う学内の渡航制限から研究4年目において課題課題の推進に不可欠なサンプル輸送が可能となった。そのため、実験資材のうち使用期限が短い検査キットや試薬類などの購入は、実験室の環境や共同研究者と調整を行った上で調達を行う予定である。
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Research Products
(2 results)