2019 Fiscal Year Research-status Report
Japanese didactic resources for the teaching of probability
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19K14196
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大滝 孝治 北海道教育大学, 教育学部, 特任講師 (90750422)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リソース / 確率 / 授業研究 / 教師の専門性 / 付随教授システム / 生態学的アプローチ / 教授人間学理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主なタスクは,数学教師の確率指導リソースの特徴を明らかにするために不可欠となる「視点(理論的枠組み)の構築」と「データの収集」であった。データ収集については,分析対象となりそうな教師用の雑誌や書籍の選別はもちろんのこと,学校の先生との協働を通して教師の授業研究プロセスに関わるデータも取ることができた。また視点構築については,本科研への応募段階から構想していた教師の協働を分析するための理論的枠組みが,本年度の研究を通じてかなり精緻化され発展した。 学会などへの参加状況としては,まず特筆すべきは6~7月に約二ヶ月間バルセロナで行われた教授人間学理論の研究会に参加し,研究発表や情報収集を行えたことである。最初の一ヶ月間が特に本研究に関わるものであり,2本の研究発表と1本のワークショップを行うことで,本科研のパイロット研究において得られた成果の精緻化と普及ができた。また大きな発表機会としては2月にリスボンで行われたICMI-studyがあげられる。この会議は毎回特定のテーマを設け,ある程度参加者を絞って集中的に議論することを目的としたものであり,今回のテーマが「教師の協働」であった。本科研の研究テーマの国際的な位置づけや価値をより深く知るためのよい機会となった。その他にも,10月にコペンハーゲン,1月に東京で行われた授業研究や教師教育についての国際セミナーで本年度の成果について話すチャンスに恵まれたこともあり,本年度は当初の予定以上に海外の専門家と議論できた。本科研の内容はテーマ的にも使用理論的にも国内に専門家がほとんどいないため,こうした場を得られたことには非常に大きな意義があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「当初の計画以上に進展している」と評価した理由は主に2つある。理由の1つ目は理論的枠組みの構築が大幅に進んだことである。理論の順調な発展とその発表機会がうまく噛み合い,本年度は国際的な文脈でその成果を発表する機会が多くあった(6月バルセロナ,10月コペンハーゲン,1月東京,2月リスボン)。そうした発表を通じて,理論をブラッシュアップできた。 2つ目の理由は,教師との協働を通じて,授業研究の実際に関するデータが取れたことである。これは当初計画していなかったことであるが,機会に恵まれ,ある程度行うことができた(残念ながら新型コロナウイルスの影響で完遂は叶わなかったが)。この授業研究は,「探究型教育」と「統計指導」をねらった,従来とは内容も方法も大きく異なる授業を行うためのものであり,そこから「これまでの教師のリソース」や「これから必要になるリソース」などに関する情報や示唆を得ることができた。また,こうした取り組みは,新しいトピックやスタイルの授業を実現するための「これからのリソース」の開発にもつながった(「教師向けワークショップの開催」や「教師向けテキストの作成」)。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の主な研究タスクはデータの分析である。すでにスウェーデンとデンマークの研究者とともに,本研究に関わる異なる分析の計画が進んでいる。一つは日本とスウェーデンにおける教師用雑誌の比較分析であり,もう一つはデンマークで行われている授業研究の分析である。すでにデータはある程度あり,遠隔でのミーティングも以前から繰り返し行っているため,渡航が難しい現在の研究環境でも問題なく分析は行えるはずである。また,単独では「確率」に特化したリソースの分析を進める。なお,当初参加を予定していた国際会議(CERME12,2/3-2/7,ボルツァーノ:イタリア)が一年延期されたため,成果発表の計画は練り直す必要があるが,研究プロセス自体に大きな影響はないと考えている。
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Research Products
(3 results)