2019 Fiscal Year Research-status Report
行動科学に基づいた学齢期の効果的な「睡眠教育プログラム」の開発
Project/Area Number |
19K14216
|
Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
大曽 基宣 名古屋女子大学, 文学部, 講師 (60823755)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 睡眠教育プログラム / 尺度開発 / 文献検討 / インタビュー調査 / 早寝早起き / トランスセオレティカル・モデル / 小学生 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、行動科学に基づいた児童生徒向け睡眠教育プログラムの開発・普及を目的とする。3年間の研究を通して、睡眠教育教材の開発・効果検証・公開、評価に用いる尺度の計算ソフト開発・公開を行う。本年度は、1)データベースを用いた国内外の睡眠教育の文献検討によるプログラム内容・理論的根拠、実践の効果・課題の整理、2)愛知県内1小学校と香川県内1中学校の養護教諭2名を対象とした睡眠教育に関するインタビュー調査の実施による学校現場での睡眠教育の成功事例や課題の抽出、3)睡眠教育教材(原案)を用いた2小学校児童346名対象の予備授業の効果検証・学会発表、4)睡眠教育の評価に用いる早寝早起きの自己効力感尺度・変容ステージ尺度・意思決定バランス尺度の開発についてまとめた2本の論文投稿を行った。その結果、1)データベース検索、論文選定により国内外で48本の論文が採用された。睡眠教育により睡眠知識向上が認められた報告は多いものの、行動変容が認められた報告は限定的であったことから、行動理論に基づくプログラム開発などの課題が示唆された。2)成功事例の特徴として、「教育の継続性」「自己コントロールの実施」「グループワークの実施」等が抽出された。今後の課題として、「授業時間の確保」「学校全体での推進」「保護者・学級担任の協力」等が抽出された。3)授業前後で、変容ステージの改善や意思決定バランス得点の増加がみられた。一方、対象者全体の睡眠習慣に変化は認められず、自立起床が可能となったグループにおいてのみ一部の睡眠習慣が改善した。4)自己効力感尺度の開発に関する論文が受理され、その他1報は査読審査中である。本年度の研究により、睡眠教育の実施方法や教材内容などに関する課題が明らかになった。次年度は、課題を踏まえた睡眠教育教材の改善・効果検証の継続、早寝早起きに関する尺度の計算ソフト作成を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究を通して、睡眠教育教材の開発・効果検証・公開、評価に用いる尺度の計算ソフト開発・公開を行う。本年度は、文献検討、インタビュー調査、睡眠教育教材の原案作成、予備実施の効果検証を完了したことから、研究は当初の計画通り概ね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、睡眠教育に関する文献検討と養護教諭へのインタビュー調査の継続・論文投稿、睡眠教育教材の改善と効果検証の継続、早寝早起きの自己効力感尺度・変容ステージ尺度・意思決定バランス尺度を基にした計算ソフトの作成を予定している。最終年度に、睡眠教育プログラムに関する論文投稿、ホームページ作成、睡眠教育教材と計算ソフトのホームページ上での公開を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
インタビュー調査のための旅費の使用が予定よりも少なかったことから、19,792円の執行残が生じた。次年度は、睡眠教育教材用イラスト作成費200,000円、早寝早起きの自己効力感尺度・変容ステージ尺度・意思決定バランス尺度に関する計算ソフト作成費500,000円、小中学校における睡眠教育で使用するプロジェクター購入費100,000円、インタビュー調査のための旅費19,792円、計819,792円を使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)