2019 Fiscal Year Research-status Report
初等・中等教育の接続からみた児童生徒の数学的モデル化能力の育成に関する研究
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19K14228
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
平林 真伊 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (70803021)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数学的モデル化 / 初等・中等教育の接続 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,学校数学において数学的モデル化を扱うことが重視されている。数学的モデル化能力の育成に関しては,初等教育または中等教育段階での学習者を想定した数多くの研究が行われ,有意義な研究成果を蓄積してきた。しかし,初等教育から中等教育段階へ,いかにして効果的な接続を図るのかに関する研究は十分に行われていない。そのため,本研究では初等・中等教育の接続の観点から,同一地域における小・中学生を対象に,自由記述による質問紙調査と数学的モデル化に関する授業を実施し,児童生徒の能力の実態や学習指導の経年変化を明らかにする。これらの結果に基づき,数学的モデル化能力の育成のための学習指導を明らかにすることを試みる。 本研究の目的は,初等・中等教育の接続からみた数学的モデル化能力の育成に関する学習指導の基礎的研究として,数学的モデル化における問題場面の解釈に焦点を当て,児童生徒による問題場面の解釈の実態を明らかにし,数学的モデル化能力を育成する学習指導の指針を得ることである。 一年次は,児童生徒による数学的モデル化における問題場面の解釈の実態を明らかにするための調査問題を開発した。具体的には,小学校第4学年から高等学校第2学年までの児童生徒の数学的モデル化能力を縦断的に調査した長崎(2001)による質問紙項目,全国学力・学習状況調査における調査問題等を参考に,現実事象の数学的な定式化および数学的結論の解釈・評価に関する問題を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査問題の開発は順調に進んでいる。一方,調査の実施に関する研究が遅れている。令和2年度は,この点に重点を置き,全体の研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,前年度に開発した調査問題を用いて,小学校第4学年から中学校第3学年までの児童生徒を対象とした質問紙調査を実施する。そして,質問紙調査により明らかになった児童生徒の特徴を踏まえ,数学的モデル化における問題場面の解釈を促進するための授業を考案し,実施する。今年度は,小学校第5学年を対象として授業を実施し,その分析を行う。
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Causes of Carryover |
令和元年度は調査を行う計画であったが,調査問題の開発が遅れたため,調査を行うことができなかった。そのため,調査研究に使用する予定の助成金が次年度に繰り越されることになった。繰り越された助成金は,令和2年度の調査研究に使用する。
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