2020 Fiscal Year Research-status Report
Incorporating L1 into Foreign Language Curriculum Development and Teaching Practice
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19K14233
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
王 林鋒 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 特命助教 (70806322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複言語 / ことばへの気づき / 母語と連携する外国語教育 / メタ言語能力 / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究計画においては、母語と外国語が連携する言語活動のデザインとカリキュラムの開発を行う予定である。そのため、複言語主義アプローチを用いて、母語、英語と第三言語を取り入れた言語活動をデザインし、ことばへの気づきを育成する授業実践を行った。そして、カリキュラム開発に向けて、ALTを含め教員同士が協働探究ができるコミュニティーの構築に取り込んでいる。当該年度の研究実績は以下のとおりである。1.複言語主義アプローチを用いて、母語、英語と第三言語を取り入れた言語活動は、言語力の基盤であるメタ言語能力を育成することを目的とする。母語と英語の比較対照言語と位置づけられる第三の言語を取り入れた言語活動をデザインしオンラインでの授業を実践した。第三の言語として、フランス語、ポルトガル語、ウクライナ語、モンゴル語、韓国語、中国語、マレー語、ヴェトナム語、ブータン語、アラビア語が話せるゲスト講師をコーディネートし、4・5人人の生徒との小グループでの言語活動を二つの学校で実施した。 2.カリキュラム開発に向けて、ALTを含め教員同士が協働探究ができるコミュニティーの構築は、「ALTと学校教員が外国語の教育実践を語り合う会」のオンライン開催によって行っている。複言語の視野を取り入れた国語教育と外国語教育が連携する授業を学校現場で実施するには、教員の意識改革と共通理解が必要となる。ALTを交えて学校種を超えた教員たちが言語教育の話題を基にお互いの外国語教育の実践を語り合う会を立ち上げた。現在、全国から150名の参加者が登録されていて、月1回で開催している。小・中・高校の現職教員、ALT、地域の英語教育指導員・アドバイザー、大学生、大学教員といった異なる背景を持つメンバーたちが参加されている。毎回話題提供者を設定し、日本語と英語のバイリンガルで進行及びグループ討議を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン授業及びオンライン開催に切り替えたので、計画通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後においては、複言語主義アプローチから、ことばへの気づきをを目指す母語と外国語教育が連携する言語活動を実施しつつ、ALTを含め教員同士が実践するコミュニティーの構築を継続的に進めていく。言語活動の効果を検討するには、授業実践記録、授業者へのインタビューと生徒たちの振り返りシートを基に分析を行う。授業者との協働実践研究は、Schon (1983) の「省察的実践者」を理論的枠組みとして行う。本研究は、日本の小学校の学級担任の強みを活かすという点において、教師の成長を支える教師教育の側面も持つ。実践者である教員と共に実践を試行錯誤しながら行い、それを振り返りながら次の展望を切り拓いていく「省察的実践者」として成長する実践研究を行う。具体的には、事前授業検討会の記録、授業記録、事後授業協議会の記録を取ることに加え、子どもたちを対象に授業内容に関連する課題テスト、振り返りシート及びアンケート調査を行い、その結果を検討する。また、段階的に、母語と連携する本外国語授業を同校内外で広く公開し、異なる学年の学級担任および異なる校種の教員に見てもらい、縦断的な視点から本カリキュラムの応用可能性および教育的効果を検証する。
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Causes of Carryover |
3月中旬の授業実践記録画を文字記録にする謝金を支払う予定だったが、実施しなかった。 4月以降に実施する予定である。
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