2019 Fiscal Year Research-status Report
非認知的能力を開発する「共創空間プログラム」の系統化・実装化に関する研究
Project/Area Number |
19K14235
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川原崎 知洋 静岡大学, 教育学部, 准教授 (10512535)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非認知的能力 / 子どもの造形 / 共創する空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、認知的発達段階及び幼小接続の視点から、共創空間プログラムの開発・実施を通して、数値化されにくいとされる非認知的能力を美術科教育における評価手法を援用して解析し、非認知的能力も含めた総合的能力開発の系統化と実装化を目指すことにある。 今年度の研究成果として、2019年6月にグランシップ(静岡市)において「こどものくに」という幼児期の子どもを対象とした造形イベントの企画監修に携わった。子どもたちが創作する場を互いに共有し、創作した作品に自由に触れ合うことのできる環境を整備することで、子どもたちのイメージが広がることを期待した。共創的な空間をベースとした造形プログラム「みらいでつくろう」と、体験型展示「みらいくんタッチ/みらいくんステップ」を企画開発し、多くの子どもたちとその保護者の直接的な反応と行動を観察した。 2019年5月から、国内で実践されている子ども向けの工作イベントや企画展示などを多数視察した。当初は美術館や子ども関連施設等で実施されている工作ワークショップを中心に視察していたが、科学館に設置されている体験装置や、博物館での体験型展示やハンズオン展示、屋内外の公園の遊具も共創空間の可能性を広げる事例であることがわかった。来年度以降も継続して視察する予定である。 2019年9月から、Xデザイン学校主催の「グループワークを円滑に遂行するための研修」に参加した。共創的なものづくりを遂行するためのチームとして、合意形成の方法、フィードバック手法、リーダーシップのあり方など実践的に学んだ。チームとして合意形成が必要な状況において求められるのは各個人の非認知的能力であることをワークショップの参加者として実感した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼児期の子どもを対象とした造形イベントの企画監修に携わり、子どもたちが創作する場を互いに共有し、創作した作品に自由に触れ合うことのできる環境を整備した。「共創空間における造形活動は子どもたちのイメージや活動の幅を広げる」ということを仮説とし、多くの子どもたちとその保護者の直接的な反応と行動を観察した。今後は子どもたちの「イメージや活動の幅を広げる力」が非認知的能力にどのように寄与し関連しているのかについて明らかにする必要がある。 国内で実践されている子ども向けの工作イベントや企画展示などを多数視察した。当初は美術館や子ども関連施設等で実施されている工作ワークショップを中心に視察していたが、科学館に設置されている体験装置や、博物館での体験型展示やハンズオン展示、屋内外の公園の遊具や装置も共創する空間の可能性を広げる事例であることがわかった。 Xデザイン学校主催の「グループワークを円滑に遂行するための研修」に参加した。共創的にものづくりを遂行するためのチームに求められる能力は非認知的能力であることをワークショップ参加者として実感した。 新型肺炎コロナウィルス拡大の影響と家庭の事情により、予定していた欧米諸国で開催された子ども向けのアートプログラムや造形ワークショップの視察を行うことが出来なかった。共創的な空間における子どもの活動と非認知的能力の向上との相関について、及び子どもの非認知的能力の可視化・数値化の方法について、美術科教育の評価手法を手掛かりに模索している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型肺炎コロナウィルス感染拡大の影響を受け、今後もしばらくの間は海外で行われている造形プログラムの視察は困難であると思われる。共創的な活動が見込まれる国内の科学館や博物館、屋内外の公園の視察を中心に変更する予定である。共創空間における造形プログラムの実践研究も継続しているが、新たに企画開発していた造形プログラムの実践(2020年5月)が中止となった。 今年度は、①非認知的能力に関する理論研究、②共創的な空間における子どもの活動と非認知的能力の向上との相関について、③子どもの非認知的能力の可視化・数値化の方法について、以上の3点を中心に美術科教育の評価手法などを手がかりに理論研究を推進する。また、国内で視察した共創空間での子どもの活動と空間デザインを分析し類型化を試みるなど、文献調査と視察調査に重点を置いて取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に予定していた海外視察が実現することができなかった。 共創空間の考え方をベースに取り組まれている造形活動及びあそびの視察(国内)へとシフトするため、関連費用について次年度使用することとした。
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