2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K14246
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| Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
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Principal Investigator |
石黒 千晶 金沢工業大学, 基礎教育部, 助教 (00814336)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 鑑賞 / 美術教育 / 創造 / 表現 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
美術鑑賞は感動や安らぎを与えるだけでなく，新しいスタイルでの創造的表現を促す。美
術鑑賞に関する青年期以降を対象にした認知科学研究では，創造的表現を促す鑑賞方法が解明され，それに基づく教育プログラムも開発されている。一方，これらの知見を初等教育の図画工作に適用できないのには，2つの問題がある。第一に、認知発達の途上にある児童期は，美術鑑賞の認知プロセスが時期によって異なり，第二に、美術鑑賞の認知プロセスを詳細に言語化して伝えることができない，ということである。これらの課題を解決するため，本研究は児童を対象とした美術鑑賞教育プログラムの開発と、そのプログラムが児童の創造的表現を促進するかを検証することを目的としている。
本年度は、どのような鑑賞教材が児童の創造的表現を促すのかを発達時期ごとに検討するため、インターネットを通じた横断調査を行った。調査前に、美術教育や美術の専門家に面接して、児童がどのような絵画によって刺激を受けるかを検討した。その結果、児童は大学生など青年期以降とは異なり、身近な他者の作品に影響を受けやすい可能性が示唆された。そのため、児童が創造的表現のための刺激を受けるような作品は、作品を描いた作者が身近な他者であるかどうかによって異なる可能性が示唆された。そのため、調査では大学生を対象とした先行研究をもとにしながら、抽象的・写実的な絵画という表現スタイル要因のほかに、同世代の児童が描いた絵画か、美術史上の著名な画家が描いた絵画かという作者の身近さに関わる要因を組み込んだ。そして、小学生児童をもつ家庭に絵画を鑑賞する調査を実施し、保護者と一緒に絵画鑑賞し、設問に回答するように依頼した。調査はインターネット調査会社に委託し、600名の児童から回答を得た。この結果は分析を進め、来年度には学会や論文誌で発表予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、児童の創造的表現を促す鑑賞教材を検討するための調査を行った。この調査を通じて、小学校の各学年でどのような鑑賞教材が創造的表現を促すかが明らかになる。この調査結果は来年度分析の結果をまとめ、学会や論文誌で発表する予定である。なお、本年度は児童の創造的表現を促す鑑賞教材だけでなく、鑑賞方法についても実験的に検討する予定だった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、実験や教育実践を実施することができなかった。そのため、進捗はやや遅れていると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、児童の創造的表現を促す鑑賞方法について実験を行うことができなかった。この状況は来年度以降も継続するおそれがある。そのため、オンラインで実験や簡単な実践を行う方法を模索する。具体的には、少数の児童とその保護者にZoomなどのオンライン会議のシステムを使用して、簡単な予備実験を行うことを検討する。
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| Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、計画していた実験を実施することができなかった。この分の予算は来年度、コロナウィルスが収束した場合、あるいは、収束しなかった場合にもオンラインでの実験を行うことで使用する予定である。
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