2019 Fiscal Year Research-status Report
A Research Study on the Development of Statistical Reasoning Based on Sample Data Looking to Data Science
Project/Area Number |
19K14249
|
Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
塩澤 友樹 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (50813812)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 統計教育 / 数学教育 / 標本調査 / 統計的推論力 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,データサイエンス時代に向けて,標本データに基づく児童生徒の統計的推論力を捉える枠組みを構築しその実態について明らかにすることで,日本の算数・数学カリキュラムにおける標本データに基づく統計的推論の位置づけについて検証し,その力を伸長するための方策を得ることを目的としている。 本年度は,まず標本調査に関わる統計教育の世界的な動向について,文献により調査した。次に,日本と比べ統計教育が進んでいるニュージーランド・オーストラリア・アメリカの国家カリキュラムにおける標本調査内容を抽出し,標本調査の扱い方や導入学年,系統性の観点から特徴について分析した。この中で,標本調査に関わる現地の教科書教材についても検討した。その結果,日本は上記3か国に比べ,標本調査の導入学年が同学年あるいは遅いものの,統計的な推測内容が充実していること,ニュージーランドやオーストラリアでは標本調査の素地指導として,小学校段階から統計調査や確率の内容が系統的に扱われていることが明確になった。一方,平成29年,30年告示学習指導要領では,新たに「外れ値」や「仮説検定の考え方」が扱われることになった。また情報科でも「情報Ⅱ」にデータサイエンスに関わる内容が位置づいた。そのため,日本における統計的な推測内容の歴史的変遷やデータサイエンス教育の動向を踏まえながら,高等学校段階における統計的な推測内容の指導の在り方やデータサイエンス内容の扱いについて検討した。これらの成果は紀要論文や学会発表という形でまとめた。 本年度の後半からはこれらの研究活動から得られた知見を踏まえながら,標本データに基づく統計的推論力を捉える枠組みの構築に取り組んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,令和元年度(平成31年度)に国内外の標本調査に関わる研究動向の整理及び国家カリキュラムの調査,枠組みの構築に取り組む予定であった。令和2年度の調査に向けて枠組みの構築に関わる作業が一部残ってはいるものの,当初の予定は概ね達成することができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は標本データに基づく統計的推論力の実態調査を行う予定である。そのため,調査の枠組みを踏まえた具体的な調査問題を開発し,調査プロセスの妥当性(調査対象や分析の方法等)に配慮しながら調査を設計・実施する。引き続き統計教育の研究動向を踏まえながら,具体的な指導や教材についても検討し,調査後の検証に向けた準備も進めていく。
|
Causes of Carryover |
ニュージーランドの現地教科書の購入に際し,当初の予定より安価な値段で購入することができた。次年度実施予定の調査・分析に関わる諸経費として使用する予定である。
|
Research Products
(5 results)