2019 Fiscal Year Research-status Report
縦断的アンケート調査を用いた外国人留学生の適応予測指標の探索
Project/Area Number |
19K14257
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岡崎 玲子 福井大学, 保健管理センター, 講師 (90647778)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | メンタルヘルス / 留学生 / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人留学生の多くは、不安と精神的動揺が特徴とされる疾風怒濤の青年期にある。学業に加えて異文化環境からのストレスによる不適応や精神疾患の発症、さらには自殺が大きな問題となっている。受け入れ側である日本の大学においては、こうした留学生の精神的不調の予防および精神疾患の早期発見と早期介入を目指した支援体制の構築が急務である。 本研究では、多様化する留学生の個人特性を捉え、さらに留学生を取り巻く環境変化および精神医学的観点を含めた社会心理的状態像を標準化された精神症状評価尺度を用いて縦断的に評価することを目的としている。 今年度は対象学生へ精神症状評価尺度を試行するにあたり、質問紙のオンライン化、試行方法の検討を行なった。しかしながら、世界的な感染症拡大により安定した留学生の受け入れの見通しが困難となったため既存データの解析を並行して行う方針とした。現時点では、新たな画一的な調査結果は得られておらず、適応指標の策定には至っていない。異文化への適応力や異国での生活満足度には個人差が大きいことが知られており、さらに時間経過に応じて大きく変化することが示されている。しかし、我が国における留学生研究の多くは横断的研究に留まり、個人特性に鑑みた縦断的適応過程の検討は未だなされていないのが現状である。さらに、日本特有の文化的特質への適応に関する日本独自の検討は未だなされていないのが現状である。そのため本研究では今後、縦断的な評価による詳細な検討を行い我が国特有の適応指標の策定を目標とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19感染症拡大に伴い、留学生が来日できなくなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規の留学生に対し、研究計画を遂行する。既存データの解析を継続する。
|
Causes of Carryover |
今年度は予定していた学会に参加できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の学会旅費、および人件費、謝金として使用する。
|