2022 Fiscal Year Annual Research Report
近現代日本における大学学長職の地位・役割・動態に関する歴史社会学的研究
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19K14268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸村 理 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00758576)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学学長職 / 全国大学教授連合 / 戦後大学改革 / 大学の自治 / 歴史社会学 / 同僚性 / 大学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は以下2つの研究活動を行った。 第一は全国大学教授連合に関する歴史分析である。この分析は、戦後大学改革及び新制大学誕生後の大学学長職の地位・役割・動態を明らかにする試みの一部として実施した。全国大学教授連合に関する本格的な研究は管見の限りほぼ皆無であった。その理由は資料的制約によるものであったが、本研究では同連合の『会報』を日本全国の図書館その他より収集した。加えて各国立大学文書館が保管していた関連資料の収集と、国立国会図書館憲政資料室GHQ/SCAP機密文書の中のCI&E部内報告書(Conference Report)を用いることで、これまでの資料的制約を乗り越えることができた。こうして全国大学教授連合の設置経緯からその活動の詳細までを明らかにすることができた。さらに戦後大学改革から大学教育の大衆化へと大学の理念と内実とが大きく変容する中で創設・解散した同連合を一つの視点に、戦後日本の大学史・高等教育史像について試論的考察を行うこともできた。以上の研究成果は2022年8月24-27日に開催された日本教育学会第81回大会で報告した。これについては令和5年度以降、論文化を試みる。 第二は米国側から見た戦後日本の大学改革に関する評価の検討を行ったことである。これは第一の研究活動に従事する中で関係者から譲り受けた英文資料の翻訳である。現代日本の大学・高等教育を俯瞰する上で「基礎資料の性格」を有していると判断し、翻訳を試みた。その成果は『大学経営政策研究』(第13号)に掲載された。
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