2020 Fiscal Year Research-status Report
日本の大学院生の心理的特徴に関する基礎的研究-当事者と世間の視点から
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19K14269
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
大上 真礼 金沢学院大学, 文学部, 講師 (90807132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大学院生 / インタビュー / メンタルヘルス / 進学動機 / 若手研究者 / アカデミア |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では日本の大学院生の心理,とくにメンタルヘルスや修了後の進路決定に関わる要因について探索的に調査・検討を行っている。 2020年度は,前年度より行ってきた大学院生・大学院修了または退学後3年以内の方々へのインタビュー調査を継続して行い,データの整理を行った。大学院修士課程を修了したのち博士課程に進んだ者・進まなかった者,理系・文系など,偏りのないように協力者を募り,各90分程度のインタビューを行った。ここ10年程度の大学院博士課程進学者の減少傾向もかんがみ,修士課程を修了したのちに博士課程に進まなかった協力者のデータをまずまとめ,修了後に進学をしなかった理由について「行いたい・学びたい内容と進学後の学び・指導のミスマッチ」「いわゆる『役に立つ』応用研究に比べ基礎研究などは肩身が狭く感じること」「優秀な先輩が卒後の職探しに苦労しているのを目の当たりにしたこと」といった要因をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に入り新型コロナウイルスが流行し,出張による調査や研究相談の機会がほとんど失われてしまったため。また成果発表のための国際学会なども中止になったものがあったため。本務校における遠隔授業対応の負担が膨大となり,本課題へのエフォートが低くして対応せざるを得なくなってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ウェブ会議ツールをさらに活用し,同分野の研究者との情報交換の機会を持つ。 2020年度までに収集した全インタビューデータについて,TEA(複線経路等至性アプローチ)での分析を行い,高等教育分野の学術誌に投稿する予定である。 また大学院在籍経験のある者とそうでない者へのウェブ調査を行い,研究や研究者,大学院生についての認識についての相違があるかを分析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行による研究遂行の遅れにより,当初の予定よりも研究関連費用の使用が遅れたため。 研究期間は2021年度にも延長して行い,次年度使用額はウェブ調査実施費用,学術論文の英文校正の費用として使用する。
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