2022 Fiscal Year Research-status Report
日本の大学院生の心理的特徴に関する基礎的研究-当事者と世間の視点から
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19K14269
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
大上 真礼 金沢学院大学, 文学部, 講師 (90807132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大学院生 / インタビュー / メンタルヘルス / 進学動機 / 若手研究者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では日本の大学院生の心理,とりわけメンタルヘルスや修了後の進路決定に関わる要因について調査・検討を行っている。またその結果と考察をもとに大学院生や若手研究者に必要なサポートの手がかりを見出すことをめざしている。 2022年度は,これまでに収集したインタビューのデータの分析に際し,質的研究法に関する知見を深めた。なお,インタビューでは,修士課程を修了後に博士課程に進まない理由として将来の見通しの不透明感が語られている。この見通しは研究活動に関する時間的な見通し,大学院生活を送るための経済的な見通し,博士課程修了後の就職先についての見通しなどが含まれる。このうち研究活動に関する時間的な見通しについて,心理学分野の主要学術誌の原著論文の投稿・査読にかかる日数は多くの場合各論文に記載されているため,そのデータ収集も行っている。本課題遂行前に行っていた2015年の論文査読にかかる日数のデータと照らし合わせて分析する予定である。これにより,経年変化やコロナ禍による研究活動への影響についても考察でき,現代日本の大学院生・若手大学院生をとりまく状況がより多面的に描出できると見込んでいる。 2023年度は大学院や研究に関わらない人々が,大学院や研究に対してどのようなイメージを持っているのかについて定量的・定性的データをとる予定である。当事者たちと,関わりのない人の両方の視点から,大学や研究についての認識を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューの分析と,それをもとにした後の調査計画を立てることに難航したため。 また,本務校での業務により,本課題のためのエフォートが一部逼迫する状況となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
質的研究,青年および成人のメンタルヘルス,口頭教育の専門家に研究手法や内容についての指導を受ける。 新型コロナウイルスによる行動制限等が設けられなくなった折,高等教育や心理学関連学会での成果発表および情報収集の機会を拡大する。
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Causes of Carryover |
インターネット調査を最終年度に行う予定であり,2022年度には実施てきていないため,予算使用が次年度にずれこむ形となる。翌年度分については調査・出張・資料請求に用いる予定である。
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